君とひまわりと私 K.T (ページ39)

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文化祭が終わって、また授業が始まる

久しぶりに足を踏み入れた教室は、以前より居心地が良かった。

「Aちゃん、久しぶり～。体調はもう大丈夫？」

「あ、おはよう、大丈夫だよ」

すると突然、一緒に飾り付けの作業をした女の子に声をかけられて、慌てて返事をする

彼女は、そっか！よかった！と嬉しそうにして、すぐにどこかへ行ってしまった

一瞬の出来事だった。だけど、

今までこんなこと一度もなかったし、

本当に本当に、嬉しくて。

海人に報告しなきゃ、と、私も笑顔になった。

「今日ね、クラスの子が体調心配してくれたの」

放課後、いつものベンチで君とふたり。

同時に腰を下ろして、すぐに今日のことを報告した

「え、良かったじゃん！」

「うん、もしかしたら友達になれるかも」

「いやそれもう友達じゃない？」

「そう、だといいな」

自信はないけど、海人がそう言ってくれたことが嬉しくて

また心の底から、笑うことができた。

「文化祭、出られなかったけど準備頑張って良かった」

「Aがそう思えたなら、俺も良かった！」

明るい私の太陽は、今日も日常を照らしてくれる

とてもあたたかくて、愛おしい。

「あ、そういえば、海人の文化祭は？」

「俺の？ちょっと前に終わったよ」

「え？そうだったの？」

同じくらいの時期だということは聞いていたけど、

まさかもう、終わっていたなんて。

「うん終わった。なんで？」

「行きたいな、って。ちょっと思ってたから」

「え、まじか！」

海人の生活している日常を、私も知りたかった。

君の毎日がどんな色で満ち溢れているのか、見てみたかったから。

「なんだそっか。言えば良かった」

「うん、行きたかった…」

「え、ごめん！むしろちょっと来たくないのかなとか思ってた。ごめんって～A」

少し拗ねたような表情をすれば、肩をすっと寄せてくる海人

つんつんと突かれて、拗ねたふりをしていたのにいつのまにか笑顔になってしまう

「Aごめんね。」

「ううん、大丈夫。」

「てかAの拗ねた顔いいね。可愛かった」

「……急にどうしたの、」

「急にじゃないよ。ずっと思ってた、可愛いな～って。」

幸せそうに笑う君は、私をどこまでもときめかせてくれる、

どこまでも、愛に溢れた人。

そっと寄り添う私たちの間を、

少し冷たい風が、吹いていった。