君とひまわりと私 K.T (ページ34)

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数日後のホームルームで、文化祭の出展内容を決めていくことになった

私が発言をしなくても、進んでいく話し合い

わいわいと賑やかなクラスの雰囲気が、いつもと違って少し過ごしやすくて。

私も、自分から楽しもうとしないといけないよね。と、

海人の言葉を、ゆっくりと頭の中で繰り返す

楽しそうな意見が飛び交う教室

少しだけ。本当に少しだけ

私も、その輪の中に入ってみたい。

そんなことを、思った。

「文化祭何やんの～決まった？」

「あ、うん。今日ちょうど決まったところ」

その日も放課後、私と海人はひだまりの中で、となり同士

私がふたり分買ってきた紙パックのジュースを飲みながら、文化祭の話をする

「順調ですなぁ！何やるんだろ。あ、待って言わないで！俺当てたい。」

「多分すぐ当たると思うけど、」

「まじか、じゃあお化け屋敷！」

「そういうのじゃなくて…」

「どういう系？」

「食べ物出す系」

「え、なんだ。カフェ？カフェしか思いつかん」

カフェしか思いつかないっていうのがちょっと可愛いけど、正解。

そうだよ、って頷いた私に、海人はまた嬉しそうに笑いかける

「カフェ！いいじゃん。めっちゃいい。」

「まだ私が何をやるかは決まってないんだけどね」

「でもAの学校綺麗だし、超オシャレなカフェできる気がする。」

君がストローでジュースを吸って、ごくりとその喉が動いた

ぷはっと口を離すと、ゆっくりと上がる口角

「……で。どう、今の気持ちは！」

きっと答えがわかっているのに、そうやって私に聞いてくる君は、

少しばかり、いたずらっ子だ。

「………ちょっと、楽しみ。」

「そうかなって思ってた！なんかこの前よりもいい顔してるからね、A」

満足そうに頷く海人

ゆるりと揺れるそのふわふわした髪の毛

ねえ海人、

君の、おかげだよ。

君の言葉があるから、私は優しい気持ちになる

君の言葉があるから、私はなんとか前を向ける

全部君の、おかげなんだよ。

だから、

「…………ありがとう、海人。」

「ん？俺なんかしたっけ。」

「うん、とっても大事なこと、してくれた」

「え、なに。俺何した？？」

誤魔化すように視線を落とし、私もジュースを一口飲む

海人は、なに！ねえなに！ってしばらくうるさかったけど、

私の気持ちは、とってもあたたかくて。

喉を通るジュースを、いつもよりも甘く感じた。