君とひまわりと私 K.T (ページ27)

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夏が、始まる。

ある金曜日、今日もとなり同士。

明るい、まるで太陽と友達みたいな君。

そんな海人が眩しくて、話しながらついじっと見惚れていると、

ばっちり、目が合った。

「あ、ねえそうだ。これ見て」

突然、海人はぱちっと手を叩いて、

ベンチの裏の、大きな花壇を指差す

「これ。ここにね、ひまわりがもうぶわ～って咲くの。今もちょっと咲きそうじゃん？」

「ほんとだ、今まで気がつかなかった」

「たしかに春とかは存在感ないかも、この花壇」

今にも咲き出しそうな、大きなひまわり

それを見ているとまた、あの彼のことを思い出して、

そっと、ポケットの中のお守りを握りしめた

今彼は、どこにいるんだろう。

「A？平気？」

「……あ、うん、大丈夫。ひまわり咲くの、楽しみだね」

「……うん、だよね！今年はAと一緒に見るし、絶対綺麗だと思う。」

海人がそう言って、また大きく笑う

なんだかどこかで見たことがあるような、そんな笑顔

まるで、ずっと前から知っていたような、

「……ねえ、ちょっと喉渇いたからさ、水道行かない？」

その時、急にそんなことを言い出した君は、少しだけいたずらっぽく笑う

「水道？いいよ、行こう」

「ありがと。ほら早く！」

何をそんなに楽しそうにしているのかわからなかったけれど、

私たちは公園の水道に向かった

「じゃあ俺、飲むね。」

「うん、どうぞ」

水道にやってきて、なぜか足と腕の裾をまくりあげた海人が、先に水を飲み始める

その横に立って、空を見上げる私

すると目をつぶりたくなるほど眩しい太陽と、視線が交わった

「あっついなぁ、」

思わず溢れた言葉

視界の端で、海人が笑ったような気がして、

そっちに顔を向けようとした瞬間、

「おりゃ！！」

「わっ、つめた！！」

突然、海人に水をかけられた

顔の水滴を、急いで手で拭う

「ちょっと海人、何？」

「わはは！ねえA！！俺と、水遊びしよ！！」

「え？」

私の返事を待たない海人は、どんどんと容赦なく水をかけてくる

君が袖をまくっていたのは、きっとこのためで。

「……もう！海人かけすぎ！！」

「え～？ちょ、うわ！Aもめっちゃかけんじゃん！！」

「ふふ、仕返し！！」

公園中に響く、私たちの笑い声

突然始まった、少し幼い水遊びは、

日差しにきらめく、大切な思い出になった。