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海人と一緒に野球場に向かって、他の吹奏楽部員たちと合流する
会場に着いて、熱く照りつける日差しの下、楽器をケースから出したり、
水とタオルを椅子の下に置いたり、準備を進めていく。
やがて客席に生徒や保護者が入ってきて、だんだんと周りがにぎやかになってきた
「Aちゃん……！」
「あ、玄樹ママ！」
突然名前を呼ばれて振り向くと、玄樹のママが少し先に立って、私に手を振っている
「今日、Aちゃんも頑張ってね！」
「ありがとうございます！」
私が元気良く返事をすると、玄樹ママはそのまま海人の方に声をかけに行った
高揚してきた気持ちのまま、ふとグラウンドを見下ろすと、選手たちがちょうど入ってくる
その中にすぐに玄樹を見つけ、朝のことを思い出して、胸の奥がちりりと痛んだ
「今日は応援、よろしくお願いします！」
「「よろしくお願いします！！」」
グラウンドから、選手たちの大きな声が聞こえてきて、私たちは拍手で答える
一瞬玄樹と目が合って、その口角が、ちろりと上がったような気がした。
ほどなくして、試合が始まった。
大きな声で声援を送る、保護者たち。
熱くなってきた楽器をしっかり握りしめて演奏をする、吹奏楽部員。
ベンチから声を出す、監督。
そして、真っ直ぐな目でボールを追いかける、選手たち。
私はその試合の中で、玄樹の活躍を目の当たりにする。
すばやくボールをキャッチして、送球する君。
走って走って、ベースをしっかりと踏み込む君。
どの瞬間を見ても、君はとても活躍していて。
小さい頃、意地悪な男の子たちに泣かされていた玄樹は、
私が守り続けてきたと思っていた玄樹は、
もう、どこにもいなかった。
吹き出す汗をタオルで拭いながら、必死に楽器で君を応援し続けるけど
君が、あまりにも大きくなっていて、
君が、あまりにもかっこよくて。
どんどんと私は、自分の心が追い込まれていくような感覚を覚えた。
「岩橋くん頑張って〜〜！！」
「岩橋くん〜〜！！」
客席から飛ぶ女の子たちの声が、私の心に更に圧力をかける
玄樹が離れていったらどうしよう。なんて思っていたけど、
君はもうとっくに、
私から、離れていたのかも、しれないね。
汗に混じった一筋の涙を拭った私を、
少し先から海人が、じっと見ていた。
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詩愛(プロフ) - 0129さん» あけましておめでとうございます！いつもありがとうございます！まだまだたくさん書きますので今年もどうぞよろしくお願い致します^^ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
0129 - 結構遅いけど、明けましておめでとうございます！今年も詩愛さんの作品をたくさん読むのが楽しみです！！ 続き、楽しみにしてます！ (2021年1月12日 2時) (レス) id: a2fc4a9d11 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - (名前)ruuuukuさん» ありがとうございます！ぜひ最後までよろしくお願いいたします^^ (2021年1月7日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ruuuuku(プロフ) - これからどうなるかドキドキです！更新いつも楽しみにしてます！！ (2021年1月6日 21時) (レス) id: d18f02a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年1月3日 15時
