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海人と私は、互いに大きな気持ちを抱えたまま、
夏を、迎えようとしていた。
夏休みには野球部の大会があって、玄樹はそのための練習でとても忙しそうにしていた。
部活中は相変わらず一生懸命練習しているみたいだったし、
土日も部活の練習に行ってしまったり、
更には平日の部活の時間が終わっても、遅くまで残って練習することが増えた。
「今日も残って練習する。ごめんね、先に帰ってて」
部活が終わった後、そんな連絡がケータイに入っていることにも慣れてきてしまった
「A帰ろ」
「うん、帰ろっか」
海人はあの日、私と幼馴染を辞めたい、そう言ってから、私に対する態度が少し変わってきていて。
前ほど生意気なことを言うことも減って、まっすぐに私に本音でぶつかってくることが、多くなった
だけど、私と真剣に向き合おうとしている海人のそんな様子は、
いろいろな想いが相まって、私にとっては、少しばかり苦しかった。
ふたりで校舎を出て、グラウンドの横を通り過ぎる
野球部はまだそこで練習をしていて、大きな指示を出す声がたくさん聞こえてきた
「野球部、頑張ってるね」
「そだね。俺らも頑張んないとだ」
海人の言葉に、頷く私
吹奏楽部は、野球部の夏の大会に、応援に行くことが決まっていた
そのために何曲か新しい曲も練習していて、私たちとしても、野球部には頑張ってもらいたい
「玄樹の試合、応援しに行けるの、楽しみだね」
私の小さな声に、海人はちらりと不安気に、私を見下ろした
「……うん、俺初めてだから、ほんと楽しみ」
「私も初めてだよ、玄樹の試合で応援するの」
「え？まじ？」
「うん、去年玄樹、出てなかったから。」
「あー、そっか、そうじゃん」
そう、玄樹は去年、夏の試合には出ていなかった
あの頃の君は、少し今よりも小柄で、
まだ、部活でも本調子を出せていなかったから。
海人とそんな話をしながら、玄樹がどんどん成長していってしまったこの一年間を思い出す
玄樹が、どこか遠くへ行ってしまいそう。
いつか感じたあの不安が、もうすぐ現実になるような気がして、思わず手を握りしめる
いつまでも、私たちは子どもじゃない。
いつまでも同じ関係では、いられないかもしれない。
そっと控えめに私の手を握ってきた海人
その温度を感じながら、そんなことを考えていた。
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詩愛(プロフ) - 0129さん» あけましておめでとうございます！いつもありがとうございます！まだまだたくさん書きますので今年もどうぞよろしくお願い致します^^ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
0129 - 結構遅いけど、明けましておめでとうございます！今年も詩愛さんの作品をたくさん読むのが楽しみです！！ 続き、楽しみにしてます！ (2021年1月12日 2時) (レス) id: a2fc4a9d11 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - (名前)ruuuukuさん» ありがとうございます！ぜひ最後までよろしくお願いいたします^^ (2021年1月7日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ruuuuku(プロフ) - これからどうなるかドキドキです！更新いつも楽しみにしてます！！ (2021年1月6日 21時) (レス) id: d18f02a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年1月3日 15時
