92 ページ43
・
次の日の朝、また3人で歩く学校への道
海人はいつかのように、また元気がなかった
そんな海人の雰囲気を察して、私と玄樹の間で進んでいく会話
玄樹も少し、海人のことを心配しているみたいだった
「じゃあね、また放課後〜」
学校に着いて、海人がひらりと手を振って一年生の教室へと向かっていく
その後ろ姿を見送ってから、私はなんとなく、君に声をかけた
「ね、玄樹」
「ん？」
「………野球部って、マネージャーの子、いるよね、」
「ああ、うん。いるけど」
「………その子って、どんな子なの？」
さりげなく、廊下のにぎやかさを味方に、一番気になっていたことを、聞く
玄樹は、少しだけ不思議そうな顔をして、私を見下ろした
「普通に、いい後輩だけど…」
「あ、一年生、なんだ」
歳下。それってもう、
それだけでも充分、守る対象なような気がして。
「そんなこと急に聞いて、どうしたの？」
「いや、えっと、」
「………もしかして、A、」
「あ、あ、ごめん。やること思い出したから、先行くね」
何かに気がついたような玄樹の言葉を聞くのが怖くて、急いで教室に駆け込む
玄樹が私の名前を、一回だけ、呼ぶ声が聞こえて
飛び込んだ教室、今日も女の子たちからの視線が、痛かった。
その日も一日中、私の気分は全然明るくなかった
授業をこなしていくけれど、どうしても。
玄樹とマネージャーの後輩の子が話している様子を、思い出す。
本当に付き合ってるのかな。
聞いてみればいい。ただそれだけのことなのに、
その答えによって、私たちの未来が変わってしまう気がするんだ。
今日の部活は、どこで練習しようか。
そんなことを考えながら、帰りのホームルーム中、私は窓の外を見ていた。
「あれ、海人」
「よう」
「何その挨拶」
放課後になって廊下に出ると、今日も海人がそこで待っていた
「いつもこんなところで待ってないじゃん、どうしたの？」
「………ちょっと、確認しておきたいことがある。」
「確認……？」
「そう。」
突然、真剣な顔で私の手を引く海人
音楽室に向かって歩き出した私たち
海人の手は、ひんやりと冷たかった
「………あのさ、」
渡り廊下の途中、彼が私を呼び止める
その目が、寂しく私に訊く
「…………俺って。Aにとってただの幼馴染なの？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 175人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - 0129さん» あけましておめでとうございます！いつもありがとうございます！まだまだたくさん書きますので今年もどうぞよろしくお願い致します^^ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
0129 - 結構遅いけど、明けましておめでとうございます！今年も詩愛さんの作品をたくさん読むのが楽しみです！！ 続き、楽しみにしてます！ (2021年1月12日 2時) (レス) id: a2fc4a9d11 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - (名前)ruuuukuさん» ありがとうございます！ぜひ最後までよろしくお願いいたします^^ (2021年1月7日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ruuuuku(プロフ) - これからどうなるかドキドキです！更新いつも楽しみにしてます！！ (2021年1月6日 21時) (レス) id: d18f02a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2021年1月3日 15時
