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その日の放課後も、私は廊下で海人に会う
「なんかちょっと、元気ない？」
私の顔を見てすぐにそんなことを言い出す海人に、少しばかり感心した
やっぱり幼馴染っていう関係は、強い。
「う〜ん、ちょっといろいろあって。」
「そっか。いつでも相談乗るからね」
「ありがとう」
音楽室に向かう廊下は、なんだかいつもより色あせて見えて
玄樹のことがずっと引っかかっているんだな、と、
海人にわからないように、小さくため息をついた。
「お疲れ様です〜」
「こんにちは」
音楽室に入ると、至る所で挨拶が交わされている
そのちょっとバタバタした騒がしさに、今日の私は、なんだかついていける気がしなかった
ふわふわとした足取りで、ぼーっとしたまま楽器の準備をして、楽譜を出す
ほぼ無意識に譜面台を組み立てたあと、私の足は自然と窓際へと向かっていた
「…………」
いつもの癖で、グラウンドを見下ろして最初に見つけたその姿
ひんやりとしたマウスピース唇をつけて、音を出してみる
まっすぐに出したはずの音なのに、なんだか少し震えているような気がして、一回吹くのをやめた
自分の心がぐらついているのが、手にとるようにわかる
こんなんじゃ、だめなのにな。
噂だし、玄樹はまだ、付き合ってないかもしれない。
そうやって言い聞かせてみるけど、どこかでそんな噂を信じている自分もいて。
玄樹が誰かのものになってしまうかもしれない
そう思っただけで、私はもう、どうしたらいいのかわからなくなってしまった
しばらくグラウンドの玄樹をぼんやり眺めながら練習をしていると、
マネージャーが玄樹に駆け寄っていくのが見える
握りしめていたバッドを下ろし、その子と話し出す玄樹
マネージャーと部員なんだし、話すことくらいあるはず。本当にわかっているけれど、
どうしても。どうしてもその様子を見ていられなくて。だけど見ていたくもあって。
ふたりの様子を見ていると、そのマネージャーの子がずいぶんと小柄なことに気がつく
玄樹は、守ってあげたくなるような子が好き、って。海人、言ってたな。
玄樹と楽しそうに話をするその子は、少し背が高めの私なんかより全然小さくて、可愛く見える
「………やっぱり、ほんとなのかな。」
あの噂。
その子と話す玄樹も、なんだかいつもより楽しそうだった。
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詩愛(プロフ) - 0129さん» あけましておめでとうございます！いつもありがとうございます！まだまだたくさん書きますので今年もどうぞよろしくお願い致します^^ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
0129 - 結構遅いけど、明けましておめでとうございます！今年も詩愛さんの作品をたくさん読むのが楽しみです！！ 続き、楽しみにしてます！ (2021年1月12日 2時) (レス) id: a2fc4a9d11 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - (名前)ruuuukuさん» ありがとうございます！ぜひ最後までよろしくお願いいたします^^ (2021年1月7日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ruuuuku(プロフ) - これからどうなるかドキドキです！更新いつも楽しみにしてます！！ (2021年1月6日 21時) (レス) id: d18f02a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年1月3日 15時
