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「今日、俺んち来ない？」
海人とふたり、家の前まで帰ってくると、そんな誘いを受けた
私の少し落ち込んだ気持ちを察したのか、心配そうに私を見る海人
だけどなんだか、海人の部屋で玄樹と鉢合わせたあの日から、海人の部屋には行きづらい
「……う〜ん、ごめんね、ちょっと今日は、」
「そっか。わかった、また明日ね」
海人はそれ以上何も聞かずに、いつものようにばいばい、と手を振って家に入っていってしまう
その背中をしばらく見ていたけど、振り向いてくれることはなかった
外がずいぶんと暗くなってきた頃、お風呂から出て、部屋のベッドに飛び込む
まだ寝る時間ではないけれど、今日はなんだか、とても疲れてしまった
ぼんやりとケータイを引き寄せたけど、特にすることもない
その時、ふと気になって窓から見た玄樹の家
玄樹の部屋の明かりは、まだついていなかった
お風呂かな、それともまだ帰ってきてない？
放課後にも一緒に帰れなかったし、少しだけ心配になって、
窓を開けて空気を入れ替えながら、玄樹の部屋が明るくなるのを、なんとなく待っていた
どれくらいそうしていたのかな。
少し瞼が重くなってきた頃、足音が聞こえてきて、
制服姿の玄樹が、やっと自分の家に帰ってきた
声をかけようにも、なぜか喉の奥がつまって、言葉にならない。
玄樹が自分の家のポストを確認する
そしてそのまま、不意にこちらを見上げ、
君と、ぱちりと目があってしまった。
「………おかえり」
「ただいま。」
なんとかいつも通りに声をかける
少し震えた語尾には、どうか気が付かないでね。
「遅かった、ね」
「うん、ちょっといろいろ。ごめんね、一緒に帰れなくて」
「大丈夫」
「……今、何してたの？」
玄樹が私を見上げながら、少しだけ首を傾げる
君を待ってたんだよ、待ってたんだけど、
その言葉は、伝えてはいけないような気がして。
「………ちょっと風、当たってた」
「そうなんだ」
私の返答に、君のほっぺたにえくぼができる
ずっと見てきたその可愛い笑顔に、また想いがしぼりとられていった
「じゃあ俺、入るね」
「うん、私も寝る」
「早くない？」
「いいでしょ、そういう気分なの」
「別にいいけど。……じゃあ、おやすみ」
「うん、おやすみ」
パタリと閉まるドア
残された私の頬を、暖かい風が撫でた
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詩愛(プロフ) - 0129さん» あけましておめでとうございます！いつもありがとうございます！まだまだたくさん書きますので今年もどうぞよろしくお願い致します^^ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
0129 - 結構遅いけど、明けましておめでとうございます！今年も詩愛さんの作品をたくさん読むのが楽しみです！！ 続き、楽しみにしてます！ (2021年1月12日 2時) (レス) id: a2fc4a9d11 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - (名前)ruuuukuさん» ありがとうございます！ぜひ最後までよろしくお願いいたします^^ (2021年1月7日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ruuuuku(プロフ) - これからどうなるかドキドキです！更新いつも楽しみにしてます！！ (2021年1月6日 21時) (レス) id: d18f02a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年1月3日 15時
