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「は〜今日もまじ疲れた」
「海人は曲の練習してる？」
部活終わり、ふたりで昇降口を目指す
新しくもらった曲の話をしながら、ゆっくりと合わせる歩幅
窓から差し込む夕日に、海人の目が輝いていた
「そういえば今日。玄さん何だろうね、用事って」
「ね、何だろう。何か聞いてる？」
「ううん、何も聞いてない」
「だよね、私も聞いてない」
ふたりで、どうしたんだろう、と言いながら校舎を出る
グラウンドの横を通り過ぎる時、
「あ、ねえ。玄さんいるかな？」
と、海人が野球部の方に目を凝らした
部活終わりにやること、って、部活関係だったのか、君はそこに居た
たくさんのボールが入ったカゴの側、ベンチに座って誰かと話している君
だけど、
「………なんか距離近くない？しかもとなりの人、あの人って…」
海人も私とほぼ同時に気がついて、その声が小さくなる
玄樹が熱心に話しこんでいるのは、部員じゃない
ジャージ姿で、綺麗なポニーテールが揺れる
「………多分、マネージャーさん、じゃない？」
自分の口から溢れたその言葉たちは、あまりにも冷たい
海人が一瞬、ちらりと私を見下ろした
「玄樹のやることって、このことかぁ。」
楽しそうな遠くのふたり
たまに聞こえてくる笑い声は、君のもの。
ただ話をしているだけかもしれないけど、
遠くからそんな様子を眺めていることが、もどかしくて。
この気持ちは伝えない方がいい、そう気がついたばっかりなのに。
君のとなりで笑うのが私だったなら。なんて、そんなことを思ってしまって。
「A、帰ろうよ。」
海人の声に、そっと瞬きを一回。
「……うん、そうだね。帰ろっか」
やっと目を逸らしたけれど、瞼の裏に残る、ふたりの姿
海人は、急に静かになった私を、もう一度見下ろした
「……Aって、結構馬鹿だよね。」
その言葉が、ぷすりと音を立てて心に食い込む
そう、私は、どうしようもないくらい馬鹿だ。
わかってる。わかってるけど、本当はわかりたくない。
「だってほら。なーんにも気がついてないし。」
海人がぽつりと呟いて、その瞳に遥か先の夕焼けが映る
しばらくその言葉の意味を考えていると、海人はまたちょっとだけ笑った
「………海人、今日すごい生意気」
「いつものことじゃん。」
私たちは、玄樹に背を向けて歩きだした
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詩愛(プロフ) - 0129さん» あけましておめでとうございます！いつもありがとうございます！まだまだたくさん書きますので今年もどうぞよろしくお願い致します^^ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
0129 - 結構遅いけど、明けましておめでとうございます！今年も詩愛さんの作品をたくさん読むのが楽しみです！！ 続き、楽しみにしてます！ (2021年1月12日 2時) (レス) id: a2fc4a9d11 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - (名前)ruuuukuさん» ありがとうございます！ぜひ最後までよろしくお願いいたします^^ (2021年1月7日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ruuuuku(プロフ) - これからどうなるかドキドキです！更新いつも楽しみにしてます！！ (2021年1月6日 21時) (レス) id: d18f02a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年1月3日 15時
