84 ページ35
・
「お疲れ様でした」
「おつかれ〜」
部活が終わって、先輩たちと挨拶を交わす
音楽室の入り口で待っている海人と一緒に、昇降口へと向かった
「………疲れたね、今日も」
「うん、そうだね」
歩きながら、ぼんやりと呟いた海人
私もそれに、ぼんやりと返事をする
練習中の玄樹、やっぱり見たかったな。
ふと君の顔が浮かんで、また少し、胸が苦しくなった
「玄さん〜おまたせ」
「あ、おかえり」
昇降口、今日もそこにいた玄樹は、ちょっとだけ不機嫌そうで、
思わず海人と目を見合わせる
「………じゃ、帰りますか！」
「うん、帰ろう」
海人が何も気がついていないふりをして、明るく声を発して、私もそれに、頷いて。
だけどなんだかやっぱり。玄樹は何かを言いたそうだった
3人で帰る道
いつもみたいに肩を並べて歩いて、いつもみたいに、景色がすぎていく
なんだか不安定な状態のまま、海人がずっと会話をしようと努力していた
「今日俺のお弁当にね、ハンバーグ入ってた！」
眩しく笑う君にはやっぱり、あの頃の面影がある
「え、ハンバーグいいね、俺も海人ママのハンバーグ好きだな」
「でしょ？おいしいよね！」
玄樹もいつもみたいにお兄さんらしく返事をして、海人と目を合わせた
その時に一瞬、私と交わる君の視線
きゅっと心の奥が引き締まって、思わず手を握りしめる
玄樹、私に何か言いたいこと、あるんじゃない？
いつも通りのようで、いつも通りじゃない。
そんな雰囲気のまま、私たちは家に帰ってきてしまった
「じゃあまた明日ね、ばいばい」
「うん、またね」
海人が軽く手を振って、先に家に入っていく
それを見送った私と玄樹は、またふたりきりになる
「A今日、部活行ったよね？」
突然、そんなことを聞いてきた君
なんだか、心が揺さぶられる予感がした
「うん、行ったけど」
「いつもの練習場所に、いなかったじゃん」
「………うん、」
ほら、やっぱり。
私の心が、揺れる
「………いなかったから、どうしたのかなって、思ってたんだけど。」
「気分転換、したかったの。」
「……そうなんだ」
まだ何か言いたげな玄樹、だけど私には、もう会話を続ける気はなかった
こんな風に言ってるけど、これも全部幼馴染だからで、きっと君の方には、
深い意味なんて、ないんだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 175人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - 0129さん» あけましておめでとうございます！いつもありがとうございます！まだまだたくさん書きますので今年もどうぞよろしくお願い致します^^ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
0129 - 結構遅いけど、明けましておめでとうございます！今年も詩愛さんの作品をたくさん読むのが楽しみです！！ 続き、楽しみにしてます！ (2021年1月12日 2時) (レス) id: a2fc4a9d11 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - (名前)ruuuukuさん» ありがとうございます！ぜひ最後までよろしくお願いいたします^^ (2021年1月7日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ruuuuku(プロフ) - これからどうなるかドキドキです！更新いつも楽しみにしてます！！ (2021年1月6日 21時) (レス) id: d18f02a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2021年1月3日 15時
