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その日、その時以降、私は玄樹と、なんとなく顔を合わせたくなくて。
「あれ、A帰んないの？」
部活が終わった頃、カバンを背負ってやってきた海人に、無理矢理笑ってみせた
「うん、もうちょっと練習してくから、先に帰ってて」
「え、マジ。待っててもいいけど、」
「ううん！いいの、先に帰ってほしい。」
優しい海人の申し出を、慌てて断る
今日はなんだかもう、耐えられる気がしないから。
海人はしばらく私を見つめていたけど、またいつもの笑顔で明るく笑って、私に手を振った
「………わかった！じゃ、俺ら先帰るね。」
「うん、ごめんね。」
海人、いつもありがとう。
ゆっくりと手を振り返した私に、海人はすっと目を細めた
「………A、俺の方こそ。ごめんね。」
何も返事をしない私に、すぐに背を向けた彼
何に対して謝ったのか、わかるようでわからないけれど、
多分ね、海人。
その″ごめんね″は、言う必要なんて、なかったよ。
すべてを狂わせているのは、私なんだから。
その日の夜、ひとりで家に帰った私は、ふたりのいない帰り道が、どれだけ寂しいかを思い知る
小さい頃からずっと一緒にいて、何をするのにも私の横にはふたりがいて、
いつの間にかその環境に慣れてしまっていたけれど、
本当にふたりは優しくて美しい、大切な存在なんだな、って。
なんて、自分勝手すぎるかな。
ふたりを失わずに、君の心を手に入れる。そんなこと、できるわけないのに。
窓からなんとなく外をのぞくと、隣の家のドアが開いて、玄樹が出てくるのが見えた
瞬間、心臓がどきりとして、ああ、やっぱり君が好きだ。なんて気がついて、泣きたくなる
すると、玄樹がまっすぐに私の家に来て、玄関のドアを開ける姿も、目に入ってきて
なんで、来るの、
君は私を幼馴染としてこっちに来ているのかもしれないけれど、
私はそんなに、いい子じゃない。
ぐちゃぐちゃに荒れた気持ちを抱えていられなくて、電気を消して布団に飛び込む
すぐに階段を登ってくる足音が聞こえて、控えめにドアがノックされた
「A？帰ってきたの？」
返事をしない。できない。したい。したくない。
今すぐにでも、その腕の中に飛び込めたなら。
しばらくして、諦めたように玄関のドアの閉まる音がする
玄樹のことを、初めて避けてしまった、夜。
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詩愛(プロフ) - 0129さん» あけましておめでとうございます！いつもありがとうございます！まだまだたくさん書きますので今年もどうぞよろしくお願い致します^^ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
0129 - 結構遅いけど、明けましておめでとうございます！今年も詩愛さんの作品をたくさん読むのが楽しみです！！ 続き、楽しみにしてます！ (2021年1月12日 2時) (レス) id: a2fc4a9d11 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - (名前)ruuuukuさん» ありがとうございます！ぜひ最後までよろしくお願いいたします^^ (2021年1月7日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ruuuuku(プロフ) - これからどうなるかドキドキです！更新いつも楽しみにしてます！！ (2021年1月6日 21時) (レス) id: d18f02a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年1月3日 15時
