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「え、玄さん、」
「入るね？」
慌てる海人と目が合う。だけど玄樹は、止まってくれなかった
外側からドアが開いて、何も知らない君が入ってくる
「海人夜遅くにごめんね、今日………」
君は海人の名前を呼びながら手に持っていたマンガを持ち上げて、何かを言おうとして。
だけど部屋で向かい合わせに座る私たちを見た瞬間、その顔からすっと笑顔が消え去った
つんと冷える空気
玄樹と、目が合う。
「………何してるの、A」
そんな風に低い声で言う君は、何か大きな感情と戦っているように見えた
その優しい色の瞳が、今はとても鋭い。
「今日、家で勉強してるんじゃなかったの？」
なぜかイライラと、君は私を問い詰めた
海人も何も言えずに、私たちは玄樹の鋭い視線から、目をそらす
「………答えないんだ。」
違うよ玄樹、
私は今日、君のことを想いすぎて、
海人のところに、来てしまったんだよ。
「………海人、これ、返しにきた。」
「……あ、うん、」
突然マンガを差し出された海人は、おびえたようにそれを受け取った
そしてまた、訪れる沈黙。
「………じゃあ俺、帰るね。」
玄樹の声は、まだ低い
おやすみ、無愛想にそう言い放った君は、あっという間に部屋から出て行ってしまう
そしてそんな姿に私は、
「………Aなんかごめん、あ、ねえ待って！」
呼び止めてきた海人を振り切って、君を追いかけて外に出た
「………玄樹！」
海人の家の前、歩いている君を呼ぶ
怒ってる？私が嘘をついたこと
振り向かない君の、表情が読めない
「ごめん、勉強するって言ってたのに、」
「何してたの？海人の部屋で」
私の言葉を遮る君、そのイライラした声
そんな言い方したら私、君にちょっと期待しちゃう。
「………」
「言えないようなこと？」
「………うん、言えない」
「………あっそ。」
ねえどうして、ちょっと怒ってるの。
君と私は、幼馴染だ、って、
私に思い出させるのは、いつも君だったのに。
そのあと何も言わない私を一瞬、君が振り返る
その綺麗に分けられた前髪から覗いた瞳が、
複雑そうに、歪んで光った。
こんなに一緒にいるはずなのに、君のそんな表情、見たことない
心の奥で、がらがらと崩れ落ちる君の笑顔
玄樹は最後に視線を伏せると、家に入っていってしまった。
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詩愛(プロフ) - 0129さん» あけましておめでとうございます！いつもありがとうございます！まだまだたくさん書きますので今年もどうぞよろしくお願い致します^^ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
0129 - 結構遅いけど、明けましておめでとうございます！今年も詩愛さんの作品をたくさん読むのが楽しみです！！ 続き、楽しみにしてます！ (2021年1月12日 2時) (レス) id: a2fc4a9d11 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - (名前)ruuuukuさん» ありがとうございます！ぜひ最後までよろしくお願いいたします^^ (2021年1月7日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ruuuuku(プロフ) - これからどうなるかドキドキです！更新いつも楽しみにしてます！！ (2021年1月6日 21時) (レス) id: d18f02a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年1月3日 15時
