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部活が、終わる。
私は胸をどきどきさせながら支度を済ませ、いつもは海人と歩いている廊下を、ひとりで歩いた
さっき君と目が合ったの、本当に気のせいじゃなかった、よね。
どんな顔して、会えばいいんだろう。
海人もいないし、バランスが、よくわからなくなってしまいそうで。
廊下の窓から見えた空
太陽が、ゆっくりと沈み始めていた。
「あれ、海人は？」
昇降口、ひとりで歩いてくる私を見て、玄樹は最初にそう聞いてきた
「用事あるからって言って、部活来なかったの」
「へぇ、そっか。」
「だから、今日は私たちだけ」
「だね。ふたりきりで帰るとか、すごい久しぶりじゃん。」
「ね、ほんとだね」
あれ、なんか意外と、いつも通り
やっぱり目が合ったの、気のせいっていうか。見間違いだったのかな。
少しばかり緊張が解けて、君と並んで、歩き出す
いつもより少しだけ。玄樹との距離を、詰めてみた
「ねえ近い。」
ちょっとだけ嫌そうにそんなことを言う君
だけど、その口角はいつもみたいに上がっている
「たまにはいいでしょ、」
そう、たまには。
たまにはこうやって、近くに居させて。
遠く感じる、君という存在の、近くに。
「………Aってさ、いつも部活の時、あそこで練習してるよね。」
沈黙を破り、突然放たれた玄樹の言葉に、思わず目を見開いた
やっぱりあの時、目、合ってたんだ、
「中学の時から、ずっとそう。」
小さく、言葉を続ける玄樹
気がついていたのか、君は。ずっと。
ずっと、前から。
君の目が、くるりと動く
そして私と、ぴったり視線を合わせた
「見てるよ、Aのことは。」
「…………ずーっと、ね。」
その時、
君の手が、
私の手に、触れる。
きゅっと握られた、体温。
小さい頃よりも、ごつごつして、
男の子らしい、その手。
「………玄樹、」
「………たまには、いいでしょ。こういうのも」
私のセリフを、真似して言う
だけどそれ、どんな気持ちで、
そんなことを言って、
そんな風に、私を暖かく見つめるの。
「………今日、夕飯食べに来ない？」
握りしめた手に、少しだけ力を入れながら、玄樹がそんなことを言い出す
「来てよ、A」
「………わかった、」
頷いた私に向かって、
玄樹はそっと、また微笑んだ。
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詩愛(プロフ) - 0129さん» あけましておめでとうございます！いつもありがとうございます！まだまだたくさん書きますので今年もどうぞよろしくお願い致します^^ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
0129 - 結構遅いけど、明けましておめでとうございます！今年も詩愛さんの作品をたくさん読むのが楽しみです！！ 続き、楽しみにしてます！ (2021年1月12日 2時) (レス) id: a2fc4a9d11 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - (名前)ruuuukuさん» ありがとうございます！ぜひ最後までよろしくお願いいたします^^ (2021年1月7日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ruuuuku(プロフ) - これからどうなるかドキドキです！更新いつも楽しみにしてます！！ (2021年1月6日 21時) (レス) id: d18f02a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年1月3日 15時
