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ある日の放課後
部活が始まる前に海人が、私の教室にやってきた
「A〜。」
「あれ、海人」
名前を呼ばれて、廊下に出る
好奇心の目が私に集まって、居心地が悪い
「どうしたの？」
「俺ちょっと今日用事あるから部活休むね。」
「え？あ、うん、わかった、」
「ん。じゃ、それだけでした〜」
ばいばい、と手を振って、あっという間にいなくなっていく海人
そっか。じゃあ、今日は、
玄樹と、ふたりで帰ることに、なるのかな。
急にちょっと、鼓動が速くなった気がした。
荷物をまとめて、音楽室に向かう
廊下を歩いていると、中庭からバスケ部の声が聞こえてきた
思えば玄樹とふたりきりで帰る、なんて、本当に久しぶり。
海人が高校に入学する前、毎日一緒に帰っていたのが懐かしい
「あ、Aちゃん！おつかれさま〜」
「おつかれさまです」
音楽室に入ると先輩に声をかけられて、挨拶を返した
「あれ？今日海人くんは？」
「あー、なんか今日は、用事あるみたいで」
「そうなんだ？珍しいね」
「ですね、」
ちょっとだけ残念そうにするその先輩
やっぱり海人は、人気者だ。
私も急いで楽器を出してきて、譜面台を組み立てる
最近練習し始めた練習曲の楽譜を立てかけて、窓際に運んだ
ゆっくりと唇をつけると、マウスピースがひんやりと冷たい
そっと音を出してみて、いつものように玄樹を見下ろしてみる。
いつもは可愛いのに、ボールを送球する君は眩しいくらいかっこよくて。
ねえ、届かないかな。
想いをたくさん込めて楽譜の練習曲を吹いてみる
目を閉じて、ゆっくりと音を紡いだ
少しずつ、少しずつ気持ちが、溢れ出す
しばらく吹いてから、そっと目を開けてグラウンドを見下ろした時、
心臓が、止まるかと思った。
玄樹が、立ち止まってまっすぐに、
私のことを、見上げていたから。
どくりと変な音を立てて、急に顔に熱が集まる
手を振るとか、笑いかける余裕もなくて、
すぐに慌てて、視線を逸らしてしまった。
こんなにはっきり、練習中に玄樹と目が合ったことは、今までなかった
手であたふたと顔を扇いでみるけど、収まらない熱
「Aちゃん？大丈夫？」
「あ、え、はい、すみません」
少し離れたところで練習していた先輩に笑われて、急いで手を下ろす
部活が終われば、君とふたりきりになってしまう。
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詩愛(プロフ) - 0129さん» あけましておめでとうございます！いつもありがとうございます！まだまだたくさん書きますので今年もどうぞよろしくお願い致します^^ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
0129 - 結構遅いけど、明けましておめでとうございます！今年も詩愛さんの作品をたくさん読むのが楽しみです！！ 続き、楽しみにしてます！ (2021年1月12日 2時) (レス) id: a2fc4a9d11 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - (名前)ruuuukuさん» ありがとうございます！ぜひ最後までよろしくお願いいたします^^ (2021年1月7日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ruuuuku(プロフ) - これからどうなるかドキドキです！更新いつも楽しみにしてます！！ (2021年1月6日 21時) (レス) id: d18f02a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年1月3日 15時
