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それから数日間の間、海人はだんだんと元気がなくなっているように見えた。
登下校中も私と玄樹の会話ばかりで、海人はあまり入ってこない
玄樹と約束もしたし、私は海人に声をかけてみることにした
「海人」
「ん？あ〜、Aか。」
部活のあと、早めに帰り支度を整えて、楽器をしまっていた海人を呼ぶ
「今楽器片付けるから待ってて〜」
「うん、待ってるよ」
そう言いながら、海人の横に並んでみた
「……なに、A」
「……ねえ海人。最近、元気なくない？」
「………そうでもないけど。」
楽器を布で拭きながら彼は私と目を合わせない
嘘つき。さすがにわかるよ。
「どうしたの？何かあった？」
「なんもないって。」
「先輩に頼ってもいいんだよ〜」
「はいはい、どーも。てか別に相談するようなことじゃないし」
まだ海人の目は、ふらりふらりと宙をさまよう
それって、何かあるって言ってるようなものだよ。
そんな様子がなんだか可愛くて、
「本当は何かあるでしょ？」
「なに！ほんとになんもないし！」
私は、ムキになった海人の肩にそっと手を置くと、
「お姉ちゃんに、話してごらん。」
そう言って安心させるように、微笑んでみた。
だけどその後の彼の反応は、まったく想像しなかったもので。
「………あー、お姉ちゃん、ね。」
すっと冷えた雰囲気とその言葉の温度に、思わず海人に触れていた手を引っ込める
「昔っからずっとそう。俺はAの弟分」
「………海人、？」
「じゃあ何があったか教えてあげるよ。A」
私をまっすぐに見たその瞳が、悲しげに青く光って、
「………俺、好きな人いんの。」
なぜか泣き出しそうな顔で、震える声で
海人はそっと、呟いた
「……え、好きな人？」
「そう。そのことで最近、悩んでた」
淡々と言葉を続ける彼は、本当に今にも泣き出しそうで。
「……私に、何か協力できること、」
「ないよ。てかむしろ、関わんない方がいいと思う」
ずいぶんしっかりとした話し方
状況が飲み込めない私に向かって、
海人はゆっくり、悲しそうに笑う
「………Aもいるんでしょ。好きな人。」
ねえ海人、いつから気がついてたの。
いつから、そんな悲しい顔をするようになったの。
「……帰ろ。A」
海人はその潤んだ瞳を伏せて、楽器ケースを閉じた。
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詩愛(プロフ) - 0129さん» あけましておめでとうございます！いつもありがとうございます！まだまだたくさん書きますので今年もどうぞよろしくお願い致します^^ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
0129 - 結構遅いけど、明けましておめでとうございます！今年も詩愛さんの作品をたくさん読むのが楽しみです！！ 続き、楽しみにしてます！ (2021年1月12日 2時) (レス) id: a2fc4a9d11 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - (名前)ruuuukuさん» ありがとうございます！ぜひ最後までよろしくお願いいたします^^ (2021年1月7日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ruuuuku(プロフ) - これからどうなるかドキドキです！更新いつも楽しみにしてます！！ (2021年1月6日 21時) (レス) id: d18f02a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年1月3日 15時
