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その日は放課後までなんだか嫌な気分が続いて。
ホームルームが終わった瞬間に、音楽室へと教室を飛び出した
「あ、海人」
「……お〜、おつかれ。」
渡り廊下のところで海人と鉢合わせる
「部活、行こっか。」
「うん、行こ」
海人に向かって声をかけると、返ってくる返事
だけど、目が合わなかった。
朝、玄樹が海人のことを心配していたけど、
たしかに今日の海人は、本当に少しだけ。何かが変な気がする
思わずじっと見上げた視線に、海人はちらりと私を見た
「………なに」
「あ、ううん、なんでもない。」
なんだか微妙な距離を空けて、私たちは音楽室を目指す
クラスの女子の雰囲気も、海人の態度も。
今日の世界は、なんだか冷え切っている。
部活中、今日もまた。
こりずに窓際に譜面台を立てた私は、玄樹を見下ろした
今日もいきいきとしている君は、また私の胸を高鳴らせる
ああ、好きなのにな。好きなのに。
君は、幼馴染というこの関係を、守りたいんだもんね。
ずきんと痛んだ胸をかばうように、私はそっと、楽譜に目を戻した
「海人、帰ろう」
「ああ、うん」
思えば、この言葉を私から言ったのは初めてだった気がする
ふたりで昇降口に向かう廊下、会話はなかった。
そのあと、玄樹と合流して学校を後にする
「今日も部活楽しかった。吹奏楽部は最近どう？楽しい？」
「あ、うん、楽しいよ。今新しい曲をやってるの」
玄樹と私の会話に海人は入ってこなくて、ただ足元の石ころを蹴り続けるだけ
朝はもう少し元気だったよね？海人
どうしよう。なんて迷っている間に、私たちは家に戻ってきてしまう
「じゃあね〜、玄さんとA」
「あ、またね」
手を振る私たちに背を向けて、海人が家へと入っていく
ふたりきりになってすぐ、玄樹が私を振り返った
「海人、やっぱりなんか変だよね」
「うん、部活の時からちょっとそんな感じだった」
「そっか、どうしたんだろう。」
心配そうな、だけどなぜか複雑そうな、玄樹の表情
君のそんな顔を見たのは久しぶりで、私が守ってあげなくちゃ。とか、昔の気持ちを思い出した
「………私が、今度の部活の時聞いてみるよ。」
「……あ、ほんと？じゃあ報告待ってるね。」
「うん」
ふたりで見上げた海人の部屋の電気は、
なぜかまだ、点いていなかった。
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詩愛(プロフ) - 0129さん» あけましておめでとうございます！いつもありがとうございます！まだまだたくさん書きますので今年もどうぞよろしくお願い致します^^ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
0129 - 結構遅いけど、明けましておめでとうございます！今年も詩愛さんの作品をたくさん読むのが楽しみです！！ 続き、楽しみにしてます！ (2021年1月12日 2時) (レス) id: a2fc4a9d11 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - (名前)ruuuukuさん» ありがとうございます！ぜひ最後までよろしくお願いいたします^^ (2021年1月7日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ruuuuku(プロフ) - これからどうなるかドキドキです！更新いつも楽しみにしてます！！ (2021年1月6日 21時) (レス) id: d18f02a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年1月3日 15時
