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そして、私たちの進級前の長期休みが始まる
入学式の数日前、私と海人は玄樹の部屋に集まっていた
「うわ〜マジで楽しみ、高校生」
近くにあったクッションをぽんぽん叩きながら、嬉しそうに目を細める海人
キラキラと見つめる視線の先には、私たちの高校の制服がかけられている
「ねえ、また俺ら3人で学校行こうよ！」
「海人はそう言うんじゃないかなって、さっき玄樹と話してたんだよ？」
「思った通りだったね、A」
玄樹の柔らかい瞳に見つめられて、少しだけ体が熱くなった
「じゃあもう決まりじゃん！やった！」
「海人嬉しそう〜」
「いや、そりゃ嬉しいよ。Aは玄さんと同い年だから気にしたことないかもしれないけど、」
海人がちょっとだけ拗ねたように目を伏せる
その手はまだ、クッションを叩いていた
「俺はね。ずっとふたりの背中追っかけてるんだよ」
海人の目が玄樹をまっすぐに見つめる
一瞬海人と見つめあったかのように見えた君の目線は、すぐに違うところへと移されてしまう
「………もう〜〜そんな寂しいこと言わないでよ海人！私たち3人でいつも一緒でしょ？」
その場の空気が少し張り詰めたような気がして、急いでそんな風に言ってみた私だけど、
ふたりの表情は、更にかたくなったような気がした
「そう、だよね。3人。玄さんと、俺と、A。」
「……俺らみんな、幼馴染、だもんね。」
「うん、そうだよ、」
玄樹の言葉にまた慌てて頷いたのに、思ったよりもその言葉は私の心にずしりと響いてしまう
幼馴染。その言葉はまるで呪文のようで。
そしてその魔法を一瞬にして変えてしまう感情が、きっと今、私の中にある
わかってる。わかってるけど、
認めてしまえば多分、私たちはこのままでは、いられないだろうから。
「じゃ、お先に〜。」
やることがあるから、と、しばらく話をした後、海人が先に帰っていく
玄樹の部屋にふたりきり。
一緒にいたいけど、このままだとこの関係を決定的に壊してしまいそうで。
「………私もそろそろ、帰ろうかな」
そう言って立ちあがろうとすると、
「………ねえ、帰るの？」
玄樹の手がそっと、私の腕を掴む
「もうちょっと、居てよ。」
そんなことしないで。壊れちゃう、から。
「……またね、玄樹。」
そっと振り払った君の手が、
ゆっくりと空気を掴んだ。
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詩愛(プロフ) - みあさん» ありがとうございます！引き続きよろしくお願いいたします（ ; ; ） (2020年12月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！詩愛さんのお話大好きです！ (2020年12月29日 15時) (レス) id: c7a9af2edd (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - いわちラブさん» ありがとうございます！ぜひ続きも楽しみにしていてくださいね^^ (2020年12月7日 0時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
いわちラブ(プロフ) - 三角関係いよいよ始まりそうな予感でドキドキします！BL以外でこんなドキドキするの久しぶりです笑 (2020年12月4日 8時) (レス) id: 4b72fc3740 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 0129さん» 可愛く描けてますか？嬉しいですありがとうございます！引き続きよろしくお願い致します^^ (2020年11月26日 0時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年11月18日 15時
