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そして私と玄樹は、高校生になった。
入学式を終え、また一緒に登校するようになった私たち
毎朝家の前で待ってくれている玄樹を見ると、なんだかまた心がどきりと弾んだ
だけど私は自分の気持ちの変化に、必死に気が付かない振りをする
気がつけば、何かが。何かが変わってしまう気がして。
その変わってしまいそうな何かが、少しだけ怖かった。
「おはよう玄樹！」
「おはよう。」
今日も私の家の前にいた君
高校に入って電車通学を始めた私たちは、中学の頃よりも少し早い時間に待ち合わせをしている
「じゃあ、行こっか」
「そうだね。ねえA、もしかしてさっき起きた？」
「えっ？」
ふたりで駅に向かおうとすると、玄樹に急にそんなことを聞かれた
まだきちんと起きていない頭で考える、どうしてわかったのかな。
「あ、なんでわかったの？って顔してる」
「だって……」
「もう、俺にはそれくらいわかるよ。何年一緒にいると思ってんの？」
そう言ってくすりと笑う玄樹
どこを見てわかったのか、とか。知りたいことはたくさんあるけど、
玄樹がもし、私の玄樹に対する気持ちの変化にも気がついていたとしたら。
「寝起きのAっていっつもこうだよね。わかりやすい」
「………そうかな」
玄樹、どこまで私のことをわかってるの？
ふたりでやってきた家の最寄り駅
ホームに入ってくる電車の中には、今日もたくさんの人
「………潰されちゃいそう。」
小さく呟いた玄樹は、私よりもまだ少しだけ背が小さい
そんな君の言葉に、また私のお姉さん心に火がついた
ふたりで押し込まれた車内
ぎゅうぎゅうと押されて離れていきそうな玄樹の腕を引く
「大丈夫？」
私の目の前に収まった玄樹に声をかけると、
自分からその手を握った癖に、どきどきと弾む心に戸惑ってしまった
「うん大丈夫。ていうかもう俺も高校生だよ？」
玄樹は小さい声でそう言って、困ったように笑ってみせる
その表情が、やっぱり可愛くて。
「可愛いなぁ、ほんと」
ため息のように思わずこぼれ落ちた言葉
それを聴いた玄樹は、また困った顔をする
少し下から私を見上げる視線に、ぐっと心に負荷がかかる
「なんか。可愛いって、あんまり嬉しくない。」
そう言いながら頬を膨らませる君は、
私にとってはやっぱり、可愛いよ。
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詩愛(プロフ) - みあさん» ありがとうございます！引き続きよろしくお願いいたします（ ; ; ） (2020年12月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！詩愛さんのお話大好きです！ (2020年12月29日 15時) (レス) id: c7a9af2edd (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - いわちラブさん» ありがとうございます！ぜひ続きも楽しみにしていてくださいね^^ (2020年12月7日 0時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
いわちラブ(プロフ) - 三角関係いよいよ始まりそうな予感でドキドキします！BL以外でこんなドキドキするの久しぶりです笑 (2020年12月4日 8時) (レス) id: 4b72fc3740 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 0129さん» 可愛く描けてますか？嬉しいですありがとうございます！引き続きよろしくお願い致します^^ (2020年11月26日 0時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年11月18日 15時
