34 ページ34
・
同じ高校を受験するとわかってから、私は勉強に力が入る
まだ玄樹と一緒に、居たかったから。
なんて、玄樹、君はどう思うかな。
君も、志望校が私と一緒で、嬉しかったりしないかな。
迫ってくる受験、そして卒業
私たちはSNSのやりとりでお互いを励まし合いながら、それぞれただ前へと努力を続けた
・
「玄樹くん！A！合格おめでとう、乾杯〜〜！」
「「乾杯！！」」
また新しい春の来る頃、私たちは無事に合格を掴み取った
カチンと鳴らすグラス、私の家で海人も交えたパーティーが始まる
「ふたりとも合格して本当によかったわ」
「また玄樹くんと一緒の学校で、Aも嬉しいだろう？」
「うん、嬉しい！」
両親の言葉に勢いよく頷くと、横にいた玄樹が恥ずかしそうにくすりと笑った
「あーあ、そして俺はまたぼっち。」
ぼそりと呟く、反対どなりの海人
玄樹と一瞬、目が合う
「海人〜、落ち込まないで？」
「いや、マジで受験の結果は良かったけど。おめでとう。でもまた俺ひとりで登校するってことでしょ」
海人は相変わらず、寂しがり屋さんだ。
そんなの本人に言ったら、怒られるだろうけど。
「海人、Aママのおかず美味しいよ？」
「あ〜玄さぁ〜ん…」
玄樹が優しく励ますように、海人にそう声をかける
返事をする海人は、やっぱり可愛くて、
そっと手を伸ばして、そのふわふわの髪の毛を撫でてみた
「え、なにA、」
「海人、寂しがらないでね」
「………別に、寂しくなんかないし。」
「今度は海人が受験、頑張るんだよ？」
「………年上ぶんな。Aのくせに。」
ふらつく海人の視線、ちょっとだけ恥ずかしそうに瞬きをする
「海人、俺からも。受験頑張ってね、俺たちいつでも勉強手伝うから」
「うん……ありがと」
玄樹もそっと海人に声をかけた
海人の返事のすぐ後、突然、テーブルの下で玄樹の手が私の手を握る
びっくりして思わず玄樹を振り返ったけど、目は合わなかった
「………玄樹？」
「ん？なに？」
まるで、手なんか繋いでないよ。そう言うように私に首を傾げる君は、
どうして今、そんなことをしたのだろう。
「ほらほら！海人くんもたくさん食べて！」
お母さんが海人のお皿にお肉を盛る
海人は頷きながら唇を噛んで、
「………なんで俺だけ、歳下なんだよ。」
と、小さく、呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - みあさん» ありがとうございます！引き続きよろしくお願いいたします（ ; ; ） (2020年12月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！詩愛さんのお話大好きです！ (2020年12月29日 15時) (レス) id: c7a9af2edd (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - いわちラブさん» ありがとうございます！ぜひ続きも楽しみにしていてくださいね^^ (2020年12月7日 0時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
いわちラブ(プロフ) - 三角関係いよいよ始まりそうな予感でドキドキします！BL以外でこんなドキドキするの久しぶりです笑 (2020年12月4日 8時) (レス) id: 4b72fc3740 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 0129さん» 可愛く描けてますか？嬉しいですありがとうございます！引き続きよろしくお願い致します^^ (2020年11月26日 0時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2020年11月18日 15時
