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また別の日の放課後、私は今日もひとりで音楽室に向かった
「こんにちは」
「Aちゃんやっほ〜」
音楽室の入り口にいた先輩に声をかける
無意識に探した海人の姿
だけど、教室の中にその姿はなかった
楽器を出して、いつものように窓際に譜面台を立てる
「Aちゃん、いつもそこだね」
「あ、うん。ここ好きで」
突然同期に声をかけられて、思わず肩がびくりと跳ね上がった
なんだか、ひとりでいけないことをしているような感覚
変にどきどきしながら、やっと楽譜に目を落とす
ちらりと校庭を見下ろせば、今日もそこに、君は居た。
しばらくそこで練習をしていると、あ！と声がして、突然海人が現れる
「Aばっかりずるいよ」
「ずるい、って」
私の横から窓の外を見始めた海人
その横顔に少し反論しようとした瞬間、
「玄さぁーーーん！！！うぐっ」
海人が大きな声で玄樹を呼んだから、慌ててその口を手でふさいだ
海人の手をそのまま引いて、窓の裏へと引きずり込む
「何してるの海人……！」
「何、って。呼んだだけじゃん！」
「練習中だよ？やめなよ、」
反抗的に顔をしかめた海人は、私の手を振りほどいた
「別にこんなの邪魔になんないよ。てか何？なんでそんなに玄さんのこといつもこっそり見てんの？」
こっそり見てる。その通りだけど、やっぱりどうしても海人の前で認めたくない
「別にこっそり見てなんか、」
「俺的に、今のAは、」
「恋する乙女か！って感じなんだけど。」
ふざけたように、そう言って私の表情をうかがう海人
きっと冗談、そうわかっているのに、
すっと、全身が冷たくなった
こんなに玄樹のことを隠れて見たりなんかして、
もしかして私、玄樹のこと、
……好き、なのかな。
「……え、何その反応」
目の前の海人の瞳が揺れる
校庭からは、いつもと変わらない野球部の大きな声が聞こえてくる
瞬きをする海人、私はかたまってしまって動けない
今、とても重要なことに気がついてしまったような気がする。
「ねえそんな顔、しないでよ。」
海人、私今どんな顔してる？
正直な気持ちが、表情にも出てしまっているのだろうか。
するとその時、海人の先輩がやってくる
「海人くん！休憩終わり！」
「……うーわ。また見つかった。」
海人は、音楽室から出て行ってしまった。
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詩愛(プロフ) - みあさん» ありがとうございます！引き続きよろしくお願いいたします（ ; ; ） (2020年12月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！詩愛さんのお話大好きです！ (2020年12月29日 15時) (レス) id: c7a9af2edd (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - いわちラブさん» ありがとうございます！ぜひ続きも楽しみにしていてくださいね^^ (2020年12月7日 0時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
いわちラブ(プロフ) - 三角関係いよいよ始まりそうな予感でドキドキします！BL以外でこんなドキドキするの久しぶりです笑 (2020年12月4日 8時) (レス) id: 4b72fc3740 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 0129さん» 可愛く描けてますか？嬉しいですありがとうございます！引き続きよろしくお願い致します^^ (2020年11月26日 0時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年11月18日 15時
