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海人は、私たちの心配をよそに、あっという間に中学に馴染んでいく
一緒に登校する時に、たくさんのクラスメートに声をかけられる海人
そんな様子を見て、私も玄樹も、嬉しかったり寂しかったり。
「海人、人気者だね」
「え？俺？」
玄樹の言葉に、海人はそうかなぁと首をひねる
私もそう思うよ。そう言う代わりに、私は玄樹と目を合わせた
ある日の部活動の時間
音楽室に入ると、海人はまだ来ていなかった
とりあえず自分の楽器を出して、いつものように玄樹が見える窓のところまで行く
「………見つけた。」
窓から見下ろした校庭
そこにはいつものように玄樹が居て、
私はまたこっそり、君を見ながらマウスピースに口をつける
今日も、玄樹はボールを追いかけて走っていた
その真剣な眼差しに、またなんだか心がくすぐられるような気がして
そうこうしていると、海人が音楽室に転がり込んで来た
「あ、海人くん、遅刻だよ？」
「え！！ごめんなさい！！」
あまりに大きい音をたてて入ってきたから、そこに居た部員たちが振り返って、
海人のパート、サックスの先輩が海人に声をかける
焦ったようなその姿に、音楽室中が笑顔になった
「はやく楽器出しておいで」
「はい、すみませんほんと」
海人はぺこぺこしながら楽器を出しに行ってしまう
こんな調子だから、海人はかなり部活の中でも人気者だった
可愛い見た目と、伸びてきた身長
更にはサックスを持っているその姿が、かっこいい。と、話題の海人
なんだか、親離れされたような気分だ。
「A〜、俺もそこで練習していい？」
その時、楽器を出して戻ってきた海人に、声をかけられた
「A先輩、でしょ？」
「年上感ないんだもん。A」
「生意気だなぁ……」
「逆に今更、Aに敬語とか。そっちの方が変じゃん」
それは、否めないけど。
「で。俺もここで吹いていい？」
「………ここは私の練習場所。近すぎてもだめだから、他のところにして」
「えー、つめた。」
ここから校庭の玄樹を見ることができるのは、私だけがいい。
なんて、そんな独占欲が、なぜか出てしまった。
「………ま、いいや。他のとこ探してくる。」
「うん、そうして」
去り際、海人が窓から
校庭をちらりと、見下ろしたような気がした。
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詩愛(プロフ) - みあさん» ありがとうございます！引き続きよろしくお願いいたします（ ; ; ） (2020年12月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！詩愛さんのお話大好きです！ (2020年12月29日 15時) (レス) id: c7a9af2edd (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - いわちラブさん» ありがとうございます！ぜひ続きも楽しみにしていてくださいね^^ (2020年12月7日 0時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
いわちラブ(プロフ) - 三角関係いよいよ始まりそうな予感でドキドキします！BL以外でこんなドキドキするの久しぶりです笑 (2020年12月4日 8時) (レス) id: 4b72fc3740 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 0129さん» 可愛く描けてますか？嬉しいですありがとうございます！引き続きよろしくお願い致します^^ (2020年11月26日 0時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年11月18日 15時
