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海人が入学、そして私たちが2年生になってから数日後
前の夜に観たいテレビがあって、ずいぶんと夜更かしをしてしまった私は、
その日の朝、まったく布団から出られないでいた。
「A、もう朝よ？」
「まだもうちょっと…」
お母さんが起こしに来るけど、目はぴたりと閉じられたまま
まだ眠たいな。全然寝た感じがしない。
朝日の眩しさがまぶた越しにも感じられて、朝が来てしまった、と少しだけ寂しくなる
「そろそろ玄樹くんも来るんじゃないの？」
「えー、もうそんな時間…」
まったく、と呆れたようなため息をついて、お母さんが部屋から出て行く気配
玄樹が来るなら、もう起きないと。
そんな風に思うのに、体は欲望に正直だ
「だめ……眠すぎ。」
起きあがろうとしてみたけど、またぱたりと倒れる体
布団の中でそうこうしているうちに、玄関のドアが開く音がした
「ねえA！まだ寝てるの。」
ほどなくして、可愛らしい声が私の部屋に入ってくる
あ、玄樹だ。
「そろそろご飯食べないと、遅刻しちゃうよ」
「あと3分……」
「もう。ご飯食べられなくてもいいの？」
そっと近寄ってきた玄樹の手が、布団越しに私の肩に触れた
そのままそっと揺すられ、規則正しいその体の揺れ方に、幸せな気持ちになる
「……玄樹」
「なに？」
突然、私からも君に触れたくなってしまって、
肩に置かれたその手をそっと、握りしめた
「A？早く起きてってば……」
だけど玄樹は、戸惑いもせず、何でもなさそうに、私の手を握り返す
その手の温度に、なんだか息が苦しくなった
またこの気持ち。なんだろう。
「…………」
「……寝ぼけてるの？」
「んー、どうかな」
「ふふ、なにそれ。」
1日の始まり。甘く、優しく、私に微笑みかける君。
「俺のヒーローさんの弱点は、たまに朝が弱いことだけだね。」
「わかった、起きる。起きるから。」
やっと体を起こした私と目を合わせた君は、
私の前髪の寝癖を、そっと撫でる。
「………目、覚めた？」
「うん、」
「海人も下で待ってる。」
きゅるんと私を見つめるその瞳
またしても私の知らない気持ちが、心にじわじわと広がっていった
「……ねえほら、ご飯食べようよ。」
動かない私を、
玄樹は不思議そうに、見つめていた。
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詩愛(プロフ) - みあさん» ありがとうございます！引き続きよろしくお願いいたします（ ; ; ） (2020年12月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！詩愛さんのお話大好きです！ (2020年12月29日 15時) (レス) id: c7a9af2edd (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - いわちラブさん» ありがとうございます！ぜひ続きも楽しみにしていてくださいね^^ (2020年12月7日 0時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
いわちラブ(プロフ) - 三角関係いよいよ始まりそうな予感でドキドキします！BL以外でこんなドキドキするの久しぶりです笑 (2020年12月4日 8時) (レス) id: 4b72fc3740 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 0129さん» 可愛く描けてますか？嬉しいですありがとうございます！引き続きよろしくお願い致します^^ (2020年11月26日 0時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年11月18日 15時
