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玄樹と疎遠になったら、どうしよう。
中学入学前のそんな心配は、これっぽっちもいらなかった。
「A、おはよう！」
「おはよう玄樹、行こっか」
平日の朝、家の前で待ち合わせた私たち
海人のいない、ふたりきりの朝の道
歩幅を合わせて、軽やかに足を進める
「今日から授業始まるね」
「だね。またわからないところあったら、Aに聞いちゃうかも。」
「もちろんいいよ！ねえ、中学の勉強って難しいかなぁ」
「どうだろうね、俺はちょっと不安」
玄樹は本当に不安そうに、その視線を落とした
そんなに不安がることないよ。
私が、いるから。
そんな言葉、直接口に出して言えはしなかったけれど。
「………そうだ、玄樹は何か部活入る？」
なんとなくまたどきどきしてきた胸の鼓動を誤魔化そうと、私は玄樹に話しかける
玄樹は、う〜ん、と、可愛く眉をひそめた
「………俺、野球部、入りたいんだ」
「野球部？」
うん、と頷く玄樹は、少しばかり恥ずかしそう
玄樹のユニフォーム姿を想像してみる。
………ちょっとだけ、見てみたいかも。
「いいじゃん！玄樹がやることなら、なんでも応援するよ！」
「ふふ、そう？ありがと。」
「ううん！当たり前でしょ？」
玄樹が笑うから、また心がほっと暖まった
「Aは？部活。」
「私は、吹奏楽部！」
「あ、やっぱり。」
私が答えると、くすり、と、また笑う玄樹
「やっぱり、って？」
「だってA、音楽好きじゃん。そうじゃないかなって思ってたよ」
玄樹って、本当に私を小さい頃からよく見てるよね。
幼馴染だから、当たり前ではあるけれど、
少しばかり、嬉しかったり。
「玄樹の野球の試合とか、見に行ってもいいの？」
「俺が試合に出られたら、ね。」
「え〜出てほしい。見に行きたい」
うん、と頷きながらも、まだ不安そうにうつむく君
だから私は、
「もしまた何かあったら、私が守ってあげるから！」
そう言って玄樹の肩をぽんと叩いた
君は私の言葉に、可愛くえくぼを作って微笑んでくれる
「Aは昔からずっと、俺のヒーローだよね。」
「まあね！私、背高いし！」
「………いいなぁ。」
玄樹がぽそりと呟いた、最後の言葉の本当の意味を、この時の私は知らなかった
ただ、玄樹を守りたい。
自分のその気持ちだけが、私を満たしていたんだ。
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詩愛(プロフ) - みあさん» ありがとうございます！引き続きよろしくお願いいたします（ ; ; ） (2020年12月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！詩愛さんのお話大好きです！ (2020年12月29日 15時) (レス) id: c7a9af2edd (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - いわちラブさん» ありがとうございます！ぜひ続きも楽しみにしていてくださいね^^ (2020年12月7日 0時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
いわちラブ(プロフ) - 三角関係いよいよ始まりそうな予感でドキドキします！BL以外でこんなドキドキするの久しぶりです笑 (2020年12月4日 8時) (レス) id: 4b72fc3740 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 0129さん» 可愛く描けてますか？嬉しいですありがとうございます！引き続きよろしくお願い致します^^ (2020年11月26日 0時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年11月18日 15時
