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「………あの、私ね、」
少し蒸し暑かった空気が、ひんやりとしていく
君の目が、私をまっすぐに見つめる
言わなければいけないのに、
やっぱり、つらくて。
「……………」
だけど、君は私の言葉を、冷めた目で待っている
………言わなくちゃ。
覚悟を、決めた。
「………私、親の転勤で、転校することになったの。」
そう口にした瞬間、背筋がぞくりとする
ああ、君に。こんな悲しいセリフ、
言いたく、なかった。
だけど君は、何も言わない。
何を、思っているのかわからない。
やがて沈黙の中、
君が瞬きをして、口を開いた
「………親の、転勤、」
「……うん、」
君の小さな声に、頷く
すると廉くんは、視線を落として、
また、口を開いた。
「………そっか、」
君の声は、
「まあ、しゃあないよな。それは。」
いつも通り。
なんでもなさそうに、そんなことを言うんだ。
その瞬間に、ずっと溜め込んでいた感情が溢れ出して、
私の中の何かが、壊れていく
廉くんは、もっと悲しがると思ってたよ、
私のことを、今も好きでいてくれてるんじゃないかな、って、
思ってたのに。
「………廉くんは、もう会えなくてもいいんだ、」
涙が頬を伝って、声が震える
私の言葉に、君がもう一度瞬きをした
「………なんでそう思うん？」
返ってきた君の声も、また震えている
「だって廉くん、」
「じゃあ俺が行くな、って言ったとして、Aはここに残るん？ちゃうやろ？」
君のここまで荒々しい声を、私はこの時、初めて聴いた
うん、そうだけど、
君の言う通りで、残ることなんて絶対にできないけど、
だけど、それでも、
「………行くな、って。言ってほしかった、」
今までの我慢が、すべて感情となり、
溢れ出して、止まらない。
「…………廉くんの、ばか、」
次から次へとこぼれ落ちる涙
それを拭うこともせず、廉くんに背を向ける
そのまま走って改札を抜けて、
振り返ることもせず電車に乗り込んだ私は、
知らなかったんだ。
私の背中を見つめながら、君が、
「………どっちがばかやねん、」
そう言って、
大粒の涙を、拭ったことを。
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詩愛(プロフ) - みあさん» 遅くなってしまってすみません…！ぜひ続きもお楽しみに！！ (2020年10月8日 21時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - テスト終わり久々にこの作品に戻ってきたら、つい泣いてしまいました笑 今後の展開が楽しみです！ (2020年9月5日 0時) (レス) id: 985d7c4caa (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 駿さん» お読み頂きありがとうございます！今後どうなるのかぜひ楽しみにしていてください！更新頑張ります^^ (2020年9月1日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
駿(プロフ) - 廉くん全然来ないし今までも冷たいから「ばか！！」って言いながら見てました！！！（やめとけ）ハッピーエンド願ってます(TT) (2020年8月31日 23時) (レス) id: c2f4c5f056 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - はなさん» 読んでくださってありがとうございます！嬉しいです……どうぞ今後の展開も楽しみにお待ちくださいね！楽しんでいただけるように頑張ります^^ よろしくお願いいたします！ (2020年8月31日 11時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年8月16日 13時
