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その日の帰りのホームルームが終わると、
私は誰よりも先に、教室を飛び出した
誰にも、会いたくなかった。
いつものみんなにも、
岸くんにも、
大好きな、君にも。
廊下を駆け抜けて、駅に向かって歩き出す
勝手に動いてくれる足に身を任せて、
何も考えず、ただひたすらに歩き続けた
改札を抜けて、
いつもよりも少し早い電車に乗って、
電車から外の景色が見えた途端、
考えないようにしていたたくさんの出来事が、頭の中を駆け巡る
君の気持ちを、教えてほしかったんだよ。
だけど君は、自分から言ってくれない。
思えば最初からそうだった。
いつも素直じゃなくて、感情をなかなか表に出さなくて、
私の気持ちばかり、先走っているみたいで。
好きだよ、大好きだよ
私がそう伝える度に、君は照れたように笑って、
知っとるよ、わかっとるよ
たったそれだけ。いつもそれだけしか言わなかった。
「…………」
流れてくる電車内のアナウンスが、私を嘲笑する
私は、一度も、
君の口から、君の気持ちを聴いたことがない。
私たちが付き合いはじめたあの瞬間も、
初めて君を抱きしめた時も、
急に唇が重なったあの夏の夜も、
いつだって君は私に、
“好き”
その言葉を、くれなかった。
そんなの、廉くんの性格を考えればありそうなことだし、
言葉には出さないけど、君もきっと私のことが好きなんだって、
その表情、その手の温度を感じて思っていた。
だけどそれでも、
今、君から、聴きたいんだよ。
私の気持ちを捨てるも受け取るも、もう君の自由だけど、
どっちにしたって、教えてほしいんだよ。
私は、君が好きだよ。
だけど君は、
本当のところ君は、どう想ってるの？
電車から降りる
家に向かっていくにつれて重くなる足取り
家でのつらいことも、泣きたくなるような状況も、
君がいたから、
君が私の世界に色をくれたから、
全部乗り越えて、笑顔でいられたんだよ。
君にとって私は、
どんな存在でしたか？
私と君の“好き”の大きさは、
もしかして、全然違ったのかな。
私ばっかり、好きだったのかな。
やっとたどり着いた家の門の前
しばらくそれを、開けることができなかった。
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詩愛(プロフ) - みあさん» 遅くなってしまってすみません…！ぜひ続きもお楽しみに！！ (2020年10月8日 21時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - テスト終わり久々にこの作品に戻ってきたら、つい泣いてしまいました笑 今後の展開が楽しみです！ (2020年9月5日 0時) (レス) id: 985d7c4caa (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 駿さん» お読み頂きありがとうございます！今後どうなるのかぜひ楽しみにしていてください！更新頑張ります^^ (2020年9月1日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
駿(プロフ) - 廉くん全然来ないし今までも冷たいから「ばか！！」って言いながら見てました！！！（やめとけ）ハッピーエンド願ってます(TT) (2020年8月31日 23時) (レス) id: c2f4c5f056 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - はなさん» 読んでくださってありがとうございます！嬉しいです……どうぞ今後の展開も楽しみにお待ちくださいね！楽しんでいただけるように頑張ります^^ よろしくお願いいたします！ (2020年8月31日 11時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年8月16日 13時
