111 ページ13
・
また別の朝
今日も、電車に乗るとそろそろ君に会えるんだ、って気分が明るくなる
毎朝こうして一緒に1日を始められること、本当に幸せだなって思うんだ
学校の駅に着いて、すぐに電車を降りて。
改札の外の、君を目指す
「廉くんおはよう！」
「おはよ」
駆け寄ると、ちょっとだけふわりと柔らかくなるその表情
「いつもありがとう。待っててくれて」
「別に今日もそんなに待っとらんし。」
「……ほんと優しいよね、廉くんって」
「………やっぱAの言うこと、それだけはわからんわ、」
「なんでよ〜！」
今日も私たちは、私たちのペースで会話を続ける
その空気感はやっぱり甘くて、暖かみがあって。
決して私たちはおしゃべりなわけではないけど、
ふたりでいれば、言葉が少なくても幸せだったと思う。
「廉くん、また昨日ゲームしてたの？」
「………しとらん。」
「絶対したでしょ？眠そうだもん」
「なんでそんなすぐわかるん？」
「目が開いてないから」
開いとるわ。って君がちょっとだけすねて、
その表情が本当にかわいかった。
そしてだんだんと学校が近付いてきて、私たちふたりの時間も終わりへと近付いていく
「………学校、駅からもっと遠かったらよかったのに。」
「不便やろ。」
「もう、そういうことじゃない、」
「わかっとる。俺ももっと通学路長ければええのになって、思うし」
何気なく呟かれた言葉に、どきっとした
最近の廉くんは、こうやって急に素直になることが多い
「お、廉とA！」
すると突然、脇の道からいつかのように同じクラスの男子が現れた
その子は笑いながら近付いてきて、私たちと肩を並べる
「今日も朝から仲良しじゃん！」
「……そう思うなら邪魔すんな、」
廉くんが低い声で呟くけどその子は笑うだけで、私に顔を向けた
「A、今日の課題やってきた？」
「あ、うん、」
「あれさ、問2ってどうやんの？」
「私のやり方、あってるかわからないけど、」
「いいよいいよ！教えて！」
そのあと、廉くんは会話に全く入ってこなくなってしまって、
「じゃあ廉くん、またお昼にね」
「廉、あとでなー」
教室の前で別れる時も、
「…………」
君は何も言わずに、
私たちを、なんとも言えない目で見つめるだけだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1056人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - みあさん» 遅くなってしまってすみません…！ぜひ続きもお楽しみに！！ (2020年10月8日 21時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - テスト終わり久々にこの作品に戻ってきたら、つい泣いてしまいました笑 今後の展開が楽しみです！ (2020年9月5日 0時) (レス) id: 985d7c4caa (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 駿さん» お読み頂きありがとうございます！今後どうなるのかぜひ楽しみにしていてください！更新頑張ります^^ (2020年9月1日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
駿(プロフ) - 廉くん全然来ないし今までも冷たいから「ばか！！」って言いながら見てました！！！（やめとけ）ハッピーエンド願ってます(TT) (2020年8月31日 23時) (レス) id: c2f4c5f056 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - はなさん» 読んでくださってありがとうございます！嬉しいです……どうぞ今後の展開も楽しみにお待ちくださいね！楽しんでいただけるように頑張ります^^ よろしくお願いいたします！ (2020年8月31日 11時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2020年8月16日 13時
