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どうやらお父さんたちは、私の帰りが遅くて怒っているみたい
「廉くんごめんね、私帰らなきゃ。」
どうしていつも、君との時間はこんなにもあっという間なのだろう。
廉くんはその言葉ですべてを察して、心配そうに私を見つめた
「……自転車、乗ってく？」
「ううん。見られちゃったら大変だし、あんまり家に着くのが早すぎても、あやしいから。大丈夫」
「そ、か。」
「本当にありがとう。気持ちだけでも嬉しいよ」
そういうところも全部。大好きだよ、廉くん。
だから、そんな心配そうな顔をしないで。
図書館の前、私たちは別々の道に立つ
すっかり日の沈んだ街
今日、夏が終わる。
「廉くんと、夏の思い出をたくさん作れて嬉しかった」
「おん、」
「本当にありがとね」
「………」
廉くんは、何も言わずに私を見つめるだけ
なかなか自分の気持ちを言わないけど、君は、
きっと私と、同じ気持ちでしょう？
君がそっと近づいてきて、
その胸に抱かれた瞬間、その予想は確信へと変わったんだ
「……じゃあ、ちょっとだけ。親と喧嘩してこようかな」
あまり長く一緒にいると、別れづらくなるから。
私の方から、背中にまわった君の腕をそっとほどく
「………大丈夫なん？」
そっと離れた君が、まだ私を心配そうに見ていてなんだか心が痛かった
「大丈夫。何も心配しないで？」
今から帰るときっと、お説教が待っているはず。
だけど、君の存在があれば、きっと大丈夫だから。
「………じゃあ廉くん、また学校でね」
歩き出そうとした私に届いたのは、
「………なぁ、俺のこと。つらかったら頼ってくれてもええよ」
君の不器用な、だけど精一杯の、優しさ。
まっすぐに私を見て、廉くんなりの言葉で、その気持ちを伝えてくれる
思わず、足が止まった
ありがとう、廉くん。だけど私は、
まだ、頑張れると思う。
君と一緒に過ごす時間は、これから先もずっとあるはず。
夏休みは、この夏は終わるけど、
きっと一夏なんかよりもずっと長く、君といられるはずだから。
「………ありがと、廉くん」
「新学期、またよろしくね」
ねえ、夏って、本当に終わるのかな。
小さく手を振って、やっと歩き出した私の背中に、
君の視線が、痛いほどに刺さっていた。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» お久しぶりです^^ 苦しいのに読んでくださってありがとうございました。つらかったら無理をなさらないでくださいね。 (2020年10月15日 0時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 第２章最後にいけばいくほど、自分の過去とリンクしてしまって涙で読み進めるのが苦しかったです。第3章もどうか、主人公ちゃんが廉くんの優しさに包まれてひとときだけでも幸せを感じられますように。 (2020年10月14日 11時) (レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - ZZZです。主人公ちゃん、廉くんに打ち明けられて良かった…。そして、それを受け入れ受けとめてくれる廉くんで良かった。二人が幸せでいてほしい。ただ、それだけ。 (2020年10月14日 11時) (レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - くみちゃんさん» 読んで頂いてありがとうございます！嫌ですよね……T_T 今後の展開をお楽しみに！第三章もよろしくお願いいたします^^ (2020年8月16日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
くみちゃん(プロフ) - こんな家庭環境いやです〜(´；ω；｀)親のレールに乗りたくないですねえ(´；ω；｀)でも廉くんと別れるのは勘弁です！！ (2020年8月15日 20時) (レス) id: 6ced6daadc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年7月27日 11時
