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「A、起きたのか？」
次の日の朝、ベッドの上。
ぼんやりとした意識の中で、廊下から聞こえたお父さんの声に目をこする
「……今起きた、」
「リビングにおりてきなさい」
それだけ言って、遠ざかっていくお父さんの気配
なんとなく、これから起きるであろうことの予測がついた
昨日の楽しかった記憶がよみがえってきて、思わずため息をつく
ふとケータイを見ると、
「おはよ」
「昨日食べすぎたわ」
君からのメッセージが表示されていて、愛しい感情と同時に、もどかしさも感じてしまう
きっと私、また親に怒られるんだろうな。
最近、長い時間家を空けることが多かったし。
誤魔化すこともできないくらいに夏休みを満喫していた私の口から溢れるのは、ため息ばかり
もう、こればっかりはしょうがない。
私は覚悟を決めて、ベッドから起き上がった
「A、こっちへ来なさい」
リビングに入った瞬間に、並んで座る両親の前に呼ばれる
ほら、やっぱりね。
投げやりな気持ちでふたりのところへ行くと、まっすぐに私を刺すその視線たち
お父さんが、ふう、と息を吐いて口を開いた
「……A、お前は最近、遊びすぎじゃないのか？」
その言葉に、またため息が出そうになる
「夏休みの最初の方は勉強も家事もやっていたように見えたのに、どうしたんだ」
どうしたもなにも、夏休みなのに。
「A、あなた高校受験かなりギリギリだったでしょう」
「大学受験はそんなに甘くない。今からしっかり準備しないと、また直前になって焦ることになるんだぞ？」
突然出された受験の話題
大学受験、っていったって、まだ高1の夏休みなのに。
「私たちはAにいい大学に進んでほしいのよ」
「その方が絶対お前のためになる」
まるで私のことを1番に考えているような口調で話す両親
だけどふたりは、私の気持ちなんて完全に無視してるんだよ
「遊ぶのはいつでもできる。だけど大学受験のための準備期間は本当に短いんだからな」
遊ぶのはいつでもできる、って、本当にそう思うの？
この夏は、たった一度だけの夏なのに。
「今日からまたしっかり勉強して、それから家事も手伝うこと。遊びに行くのはひかえなさい。いいわね」
夏が、色あせていく。
「………わかったよ、」
だけど私はまた、頷くことしかできなかった。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» お久しぶりです^^ 苦しいのに読んでくださってありがとうございました。つらかったら無理をなさらないでくださいね。 (2020年10月15日 0時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 第２章最後にいけばいくほど、自分の過去とリンクしてしまって涙で読み進めるのが苦しかったです。第3章もどうか、主人公ちゃんが廉くんの優しさに包まれてひとときだけでも幸せを感じられますように。 (2020年10月14日 11時) (レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - ZZZです。主人公ちゃん、廉くんに打ち明けられて良かった…。そして、それを受け入れ受けとめてくれる廉くんで良かった。二人が幸せでいてほしい。ただ、それだけ。 (2020年10月14日 11時) (レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - くみちゃんさん» 読んで頂いてありがとうございます！嫌ですよね……T_T 今後の展開をお楽しみに！第三章もよろしくお願いいたします^^ (2020年8月16日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
くみちゃん(プロフ) - こんな家庭環境いやです〜(´；ω；｀)親のレールに乗りたくないですねえ(´；ω；｀)でも廉くんと別れるのは勘弁です！！ (2020年8月15日 20時) (レス) id: 6ced6daadc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年7月27日 11時
