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「……じゃあ、ちょっとだけお邪魔しようかな、」
「今誰もおらんし。おいで」
廉くんがそう言って私の手を引く
私はその頼もしい手に身を任せて、そのまま君の部屋へと連れていかれた
「濡れて寒いやろ」
「あ、ううん、大丈夫」
部屋に入ると、1番に私を心配してくれる君
大丈夫。そう言ったのに、君は不安そうな顔でさっきよりもっと大きめのタオルを取り出す
「ほら。ん」
「？」
そして、大きくタオルを持った手を広げた君は、まっすぐに私を見つめた
「来いよ、こっち。」
「え、」
「来いって。」
「あ、うん、」
なんだろう、そう思って少しずつ君に近寄ると、
君が、はあ、と大きなため息をつき、私との距離をぐっと縮めて、
そしてそのまま、タオルで私を包み込むように、抱きしめた
「廉くん、ちょ、」
「来んの遅いねん」
熱い吐息が、私の耳元に響く
そのまま大きなタオルで、私の頭を拭いてくれる君
まさか急にこんな展開になると思っていなくて、
どきどきしたまま、ちらりと君の顔を見上げると、
その顔があまりに優しくて、驚いた。
無言で私の髪の毛の水気を拭き取る君は、かっこよすぎてなかなか直視できない
しばらくそのまま廉くんの優しい手のひらに身を任せていると、
そっと、離れていくその体温。
「………ありがとう、廉くん、」
「ん。絶対風邪、引くなよ」
強く私にそう言ってみせる君は、ちょっとだけ幼く見えた
廉くんはそのあとパーカを貸してくれて、湿っている服の上からそれを羽織ると、
君の匂いに包まれて、その甘い状況に、なんだか涙が出そうになる
「いつ止むんやろ、雨」
「ね。遅くまで降ったらどうしよう」
君のベッドに寄りかかるようにして、並んで座り込んだ私たち
「あんまり遅くまでやったら、傘貸すわ」
「うん、ありがとう」
傘を貸してもらえれば、今すぐにでも帰れるのに。私たちはまだ、一緒にいたい。
きっと、君もそうでしょ？
「……廉くんの部屋って、こんな感じなんだね」
「おん。てか俺、初めて部屋に人招いたかも、」
「本当？じゃあ私が1番？」
「……まあ、そうなるんちゃう？」
また恥ずかしさを誤魔化す君
のんびりと過ごすこの時間が柔らかくて、大好きで。
言葉を伝える代わりに、そっと君の肩に頭を乗せると、
遠慮がちに君の手が、私の肩を抱いてくれた。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» お久しぶりです^^ 苦しいのに読んでくださってありがとうございました。つらかったら無理をなさらないでくださいね。 (2020年10月15日 0時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 第２章最後にいけばいくほど、自分の過去とリンクしてしまって涙で読み進めるのが苦しかったです。第3章もどうか、主人公ちゃんが廉くんの優しさに包まれてひとときだけでも幸せを感じられますように。 (2020年10月14日 11時) (レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - ZZZです。主人公ちゃん、廉くんに打ち明けられて良かった…。そして、それを受け入れ受けとめてくれる廉くんで良かった。二人が幸せでいてほしい。ただ、それだけ。 (2020年10月14日 11時) (レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - くみちゃんさん» 読んで頂いてありがとうございます！嫌ですよね……T_T 今後の展開をお楽しみに！第三章もよろしくお願いいたします^^ (2020年8月16日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
くみちゃん(プロフ) - こんな家庭環境いやです〜(´；ω；｀)親のレールに乗りたくないですねえ(´；ω；｀)でも廉くんと別れるのは勘弁です！！ (2020年8月15日 20時) (レス) id: 6ced6daadc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年7月27日 11時
