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ふたりで並んで回るたくさんの水槽たち
どの魚たちも魅力的にキラキラと、まるで君の瞳のように輝いていて、
涼しい室内なのに、どういうわけか“暑い夏”を感じた。
廉くんは相変わらずとっても楽しそうにしていて、
そんな姿を見ているだけなのに私まで幸せになるから、自分の気持ちの大きさにびっくりしたり。
「廉くん見て、あの魚かわいい」
「ほんまや。あ、待ってあいつ泳ぐの速すぎん？」
「たしかに、もうあんなところに行っちゃった」
私たちは小さい頃に戻ったみたいに、ただひたすらに魚を眺めてはくすくすと会話を弾ませる
たまに触れる手のひらがなんだかもどかしくて
いつか、君と手を繋いだりする日もくるのかな。なんて、
そんなことを考えていたら、全身がぶわっと熱くなった気がした
「あ、ここからは深海魚のところだね」
「みたいやな」
ちょっと暗くなった照明につられて、なぜか声まで小さくなる
廉くんが私より先に水槽に近寄って、私も急いでとなりに並ぼうと足を踏み出した
すると、
「わ、」
暗くてそこに段差があったことに気がつかず、
ちょうど前を歩いていた廉くんの背中に、後ろから抱きつくように倒れ込んでしまった
ぎゅっと初めてしがみついた、君の背中。
「あ、廉くんごめん、」
「いや、どうしたん、」
そっと離れると、君のその手が私の肩に乗って、
心配そうに顔をのぞかれる
すっかり冷えたはずの体が、じわじわとまた熱を持った
「ちょっと、つまづいちゃって。」
「そか、暗いもんな、」
「うん、ごめんね？」
「いやいや。」
君の手が離れていって、それだけかな。なんて寂しく思っていると、
その離れた手が、突然、
ぎゅっと私の右手を、握った。
びっくりして、思わず肩がびくりとする
君の顔は、暗くてよく見えない
「廉くん、手、」
「危ないから、」
困惑する私に、廉くんが小さく呟く
「またこけたら危ないやろ。だからちゃんと、」
「ちゃんと、握っといて。」
やっと一瞬見えた君の顔が、いつかのように赤く染まっていた。
「……うん。ありがとう廉くん」
小さく頷いた君
分け合った少しの体温が熱くて心地いい
嬉しくて、幸せで
繋いだ手に思わず力が入ると、
君が呆れたように、ふっと笑った。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» お久しぶりです^^ 苦しいのに読んでくださってありがとうございました。つらかったら無理をなさらないでくださいね。 (2020年10月15日 0時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 第２章最後にいけばいくほど、自分の過去とリンクしてしまって涙で読み進めるのが苦しかったです。第3章もどうか、主人公ちゃんが廉くんの優しさに包まれてひとときだけでも幸せを感じられますように。 (2020年10月14日 11時) (レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - ZZZです。主人公ちゃん、廉くんに打ち明けられて良かった…。そして、それを受け入れ受けとめてくれる廉くんで良かった。二人が幸せでいてほしい。ただ、それだけ。 (2020年10月14日 11時) (レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - くみちゃんさん» 読んで頂いてありがとうございます！嫌ですよね……T_T 今後の展開をお楽しみに！第三章もよろしくお願いいたします^^ (2020年8月16日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
くみちゃん(プロフ) - こんな家庭環境いやです〜(´；ω；｀)親のレールに乗りたくないですねえ(´；ω；｀)でも廉くんと別れるのは勘弁です！！ (2020年8月15日 20時) (レス) id: 6ced6daadc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年7月27日 11時
