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約束の日
私たちは廉くんが行きたいと言っていた水族館の前で待ち合わせをする
その日はちょうど両親が出かけていて家にいなくて、私は伸び伸びと準備をすることができた
いつもと少し違った空気の家、お気に入りの曲なんかを流したりして。
わくわくと支度を進めて、私は家を飛び出していった
目的地に向かう途中、今日も太陽は容赦なく私の体を熱くしていく
その熱すら愛おしくて、思わず目を細めて空を見上げた
今日は、廉くんのどんな素敵なところを見つけられるんだろう。
今日の君は、どんな言葉で私を幸せにしてくれるんだろう。
考えれば考えるほど、幸せでたまらない。そんな今日これからの時間
今日もきっと、君はとってもかっこいいんだろうな。
電車の中、いつものように笑い出してしまいそうなのを、必死に抑え込んだ
予定よりかなり早めに着いてしまった水族館
涼しげな外観の建物の前で君を待つ
入り口のガラス窓に映った私は、お気に入りのワンピースを着て、ひとりなのにすごく楽しそうだった
今日は親にも会わなかったし、なんだか気分がいい。
君が来るのがとてもとても楽しみで、何度も確認する腕時計
ケータイを握りしめて、君からの連絡があったりしないかな、なんて。ちょっとそわそわしてみたり。
この日の私はまるで幼いこどものようだったと、後から思ってしまうほど気分が上がっていた
そして、約束の時間
「A」
「あ、廉くん」
ぴったりの時刻に現れた君は、私の姿を見て少し焦ったみたい
「おはよう！」
「おはよ、早いな、」
「うん、早く着いちゃった」
「今日暑いのに、長い時間待ったん？」
水族館の入り口あたりにちょうど日影がないのを見て、廉くんが心配そうに私を見る
「ううん、そこまででもないよ！大丈夫！」
「………」
すると廉くんは、何も言わないまま私と目を合わせて、
そっと、私の頭にその手を乗せた
「………あっつ。結構待っとるやん」
日差しに温められた私の頭のてっぺんに手を置いて、そんなことを言う君
「……え、そんなに待ってない、から、」
「いや、次から暑いとこで待つの禁止な」
突然のことで戸惑う私に、君はお説教みたいな口調で言う
「わかった、」
「ほら、入るで。」
心配そうな君が私の背中を押して、
私たちは水族館に足を踏み入れた。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» お久しぶりです^^ 苦しいのに読んでくださってありがとうございました。つらかったら無理をなさらないでくださいね。 (2020年10月15日 0時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 第２章最後にいけばいくほど、自分の過去とリンクしてしまって涙で読み進めるのが苦しかったです。第3章もどうか、主人公ちゃんが廉くんの優しさに包まれてひとときだけでも幸せを感じられますように。 (2020年10月14日 11時) (レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - ZZZです。主人公ちゃん、廉くんに打ち明けられて良かった…。そして、それを受け入れ受けとめてくれる廉くんで良かった。二人が幸せでいてほしい。ただ、それだけ。 (2020年10月14日 11時) (レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - くみちゃんさん» 読んで頂いてありがとうございます！嫌ですよね……T_T 今後の展開をお楽しみに！第三章もよろしくお願いいたします^^ (2020年8月16日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
くみちゃん(プロフ) - こんな家庭環境いやです〜(´；ω；｀)親のレールに乗りたくないですねえ(´；ω；｀)でも廉くんと別れるのは勘弁です！！ (2020年8月15日 20時) (レス) id: 6ced6daadc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年7月27日 11時
