109 ページ11
・
そのあとも、私たちは4人で話をしていたけど、
私と紫耀くんが、直接言葉を交わすことは、
一度も。たったの一度もなかった。
どうしてこうなったのか、その原因はやっぱりあの電話にあったのか
何もわからなくて。どうすることもできない。
「紫耀も、元気ないん？」
「ん？なんで笑」
廉が紫耀くんに向かって声をかけると、口角だけで笑う君
「なんか口数少ないやん」
「別にそんなことないけど」
紫耀くんの当たりが、強い。
そのことにはなみちゃんも気がついたみたいで、その瞳が少しだけ揺れた
「まあそんならいいけど」
廉も紫耀くんを冷めた目で見つめる
ふたりはそれ以上、しゃべらなかった。
「じゃあ解散ね〜〜」
やっと部長さんの声が聞こえて、それぞれが荷物をまとめ始める
私たちの変な空気を察したみたいに、いつもは明るく笑っているはなみちゃんも、今日は静かだった
どうすればいいのか私も分からなくて、とりあえず帰る支度を進めていると、
「Aちゃん準備できた？」
なぜかいつもより少し大きな声で、君が私を呼ぶ
「あ、できたよ、」
「じゃあ帰ろ」
「はなみちゃん、俺らも帰ろか」
「え、うん、」
そこで張り合うように、廉もカバンを肩に持ってはなみちゃんを呼んだ
私たちは微妙な距離のまま、廊下を歩き出すけど、
ピリピリとした空気感が、痛い。
「またね、Aちゃんと紫耀」
「はなみちゃんたち気をつけて」
「じゃまた」
「またねー」
校門でいつものように二手に別れる私たち
紫耀くんと、ふたりきりになっちゃう。
「……Aちゃん、行こ」
「うん、」
廉たちが行ってしまって、紫耀くんの口調が少し柔らかくなった気がした
そっと顔を見上げると、すぐに目が合ってしまい、急いでそらす
「………Aちゃん、よかったね。」
「え？」
すると突然そんなこと言われて、身体中に緊張が走った
「今日も廉と仲良さそうだったし。廉も絶対Aちゃんのこと好きじゃん」
なぜか力なく笑いながら、君はそんなことを言う
「だから、良かったね。って」
見上げた君の顔が、なぜか切ない。
私たちの関係が、
あの夜に、変わってしまったような気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1481人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - kaiさん» わ〜嬉しいですありがとうございますT_T 引き続きよろしくお願いいたしますね^^ (2020年6月14日 21時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - かなこさん» こちらこそありがとうございます！引き続きよろしくお願いいたします、頑張りますね！^^ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - さくらえびさん» いつもありがとうございます！嬉しいです……引き続きよろしくお願いいたします^^ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - はるさん» かわいいですか！よかった！ありがとうございます、引き続きよろしくお願いいたします^^ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 夜木さん» こちらこそありがとうございます！！引き続きよろしくお願いいたします！^^ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2020年5月29日 20時
