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私が何か言う前に、
紫耀くんは、ふっと笑ってはなみちゃんにまた顔を向ける
君の瞳に映るのは、また彼女だけ。
永瀬くんは、その手を離そうとしない
むしろ、紫耀くんに気がつかれてからもっと強く握ってくるから、
「永瀬くん、」
震える声で、彼の名前を呼んだ
「………うん、」
その、弱々しい返事
ねえ永瀬くん、ごめんね。だけど、
「………手、離して、」
小さな声で伝えれば、
「………ごめん、」
彼もそう呟いて、私の手を名残惜しそうに離す
相変わらず、楽しそうに前を歩いているふたりの背中が、
さっきよりも見ていてつらかった。
その手の温度を拒んだことによって、
私と永瀬くんは、もっと変な空気感になる
隣で、肩を並べて、歩いてるのに。
すると、紫耀くんがまた振り返って私たちを見た
離れた手と手、重い沈黙
そんな私たちを見て、君はまた勘違いをする
「………あっ、俺らちょっと先に屋台見てくる。行こ？はなみ」
突然そんなことを言い出して、戸惑うはなみちゃん
「え？廉くんとAちゃんは？」
「いやなんか、俺らいるといろいろやりにくいんじゃない？」
君はどこまでも残酷に、私たちを気遣う
そんなの、要らないよ。
「行こうよ、何食べたい？」
君は、去り際に私に目配せをして、
はなみちゃんと、あっという間に人混みに消えてしまった
残された私と永瀬くん
彼は、とっても気まずそうに頭をかくと、
「………A、なんか俺、」
「ごめんな、いろいろと」
苦しそうに、そう呟いた。
永瀬くんが、悪いわけじゃない。
すべてのタイミングが、良くなかっただけ。
そう思っているはずなのに、
言葉が、出なかった。
楽しそうに笑いながら通り過ぎていく、たくさんの人たち
ぼんやりと周りを見ながら、
私たちはただ歩き続ける
このまま静かに、人混みに溶けてしまいたかった
「…………なぁ、何回も困らせてほんまにあれなんやけど、」
突然隣の彼は沈黙を破る
「好き、」
鼓膜に届く、その言葉
「好きなんだよ、俺。Aのこと。ほんまに、ずっと。」
思わず振り向くと、
永瀬くんの瞳が、大きく揺れていた。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます！ドキドキしてくださっていますか、よかったですT_T 続きもぜひ読みにいらしてくださいね！お待ちしております^^ (2020年5月29日 20時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - kaiさん» いつもありがとうございます！日課だなんて嬉しいです……精一杯頑張って書きますね！続きもぜひ読みにいらしてください！^^ (2020年5月29日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 涼杜兄妹さん» ありがとうございますT_T 引き続き皆さんのコメントを糧に頑張ります！ぜひ続きも読みにいらしてくださいね！よろしくお願いいたします^^ (2020年5月29日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 夜木さん» いつもありがとうございます！嬉しいです……これからも精一杯頑張りますので、続きもぜひ読みにいらしてくださいね！またよろしくお願いいたします^^ (2020年5月29日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - まいさん» 毎日おつかれさまですT_T 少しでもお仕事の疲れがとれるように、私も頑張って更新しますね！続きもぜひ読みにいらしてください！よろしくお願いいたします！^^ (2020年5月29日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年5月4日 19時
