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それでも季節はゆっくり、ゆっくりと巡っていく
私たちは頻繁に連絡を取るようにしていたけれど、
だんだんと、そのペースが落ちていくのがわかった
最初の頃は電話をしたりすることもあったのに、
夏が来て、秋が来て、
また冬がやってくると、君からの返信はかなり遅めになってしまっていた
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あっという間にあれから二度目の春、私は大学四年生になる
君の返信ペースが遅いから、私も前みたいにすぐに返信をするのが嫌で、
メッセージアプリ右上の赤い数字が、いつまでも残ることが増えた
たまにやりとりするメッセージも、なんだか味気ないものに変わっていく
でも、私は勇太のことをずっと信じていた
大学四年なんて、恋人がいる子たちもたくさんいたけど、
私は勇太以外の選択肢を、考えることなんてなかった。
遠距離恋愛って、きっとこういうものなんだと、
私は自分に言い聞かせて、春を待つことしかできない。
「……あ〜〜、」
「ねえそれしか言えないのマジで」
四年生になった今でも居酒屋の一角、うだうだとうなる私と、そんな私に小言を言う岸くん
「待ってるんだけど、勇太をね」
「うん」
「ほんとに、戻ってきてくれるんだよね、」
私の言葉に、岸くんはため息をついた
「……神宮寺のこと、信じてねえの？」
「信じ、てるけど、」
「ならなんも問題なくね？」
岸くんはそう言ってお酒を一口飲む
「………あ〜、」
「まーた始まっちゃったよ、あ〜、が」
「………もう、勇太と一緒に住みたいな」
「同棲？めっちゃイイじゃん」
岸くんの目がちょっときらっと光った
「でも……そんなの夢のまた夢だもんなぁ、」
「……ん〜、まあなぁ？」
岸くんは少し何か考えるように、腕を組んで天井を見上げる
「………会いたいな、勇太」
口をついて出てきた言葉に岸くんは、う〜んとうなる
「……遠距離ってマジ大変そうだね」
「うん。ただひたすらに会いたい」
「……今の神宮寺に伝えとくわ、」
「やめて。迷惑になっちゃうから」
岸くんはまたため息をついた
「あいつはそんなこと思わないでしょ」
「わかんないじゃん、こんなに時間経って。こんなにやりとりも減ってるのに」
言っていて悲しくなる
私たちは本当に、
春に、会えるのかな。
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詩愛(プロフ) - びてさん» わ！ありがとうございます嬉しいです！！見つけてくださりありがとうございます！コメントとっても嬉しくてまた意欲が湧いてきました^^ ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします！ (2021年12月12日 17時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
びて(プロフ) - 気がついたら一気読みしてしまいました…！胸がぎゅっと締め付けられるような、切ないストーリー、思わず泣いてしまいました…！！素晴らしい作品をありがとうございました…！作者様の作品、全部大好きです…！これからも応援しております〜！！ (2021年12月11日 21時) (レス) @page50 id: c945aa9546 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - zzzさん» こんばんは！読んでくださってありがとうございました！これからも頑張りますね、引き続きよろしくお願いいたします^^ そしてもう一度、フォローもありがとうございました！ (2020年4月27日 18時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
zzz - 蒼く染まれ。気づいたらイッキ読みしていました。人物像を似せて文面を考えるのって、とてもとても難しいと思いますが、本当に素敵な作品でした。ツイッターもフォローさせてください。他の作品も楽しみにしてます。 (2020年4月26日 18時) (レス) id: f5724e95b1 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます！表現するのがなかなか難しかったのですが、そう言って頂けて本当に嬉しいです泣 どうぞ次のお話も楽しみにしていてください！ありがとうございました^^ (2020年4月16日 11時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年3月31日 18時
