蒼く、染まれ Y.J（２） (ページ47)

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神宮寺くんと会った次の日

私は誰かにこのもやもやを聴いてほしくなる

昼間、部屋の中でゴロゴロしながら考えても、

何もいい考えが浮かばないし、

この気持ちに答えがでるわけ、なかったから。

こういう時、誰に会おう。

最近ずっと会っている神宮寺くんの顔が浮かぶけど、

今回は悩みのタネの中心人物だから、会うわけにもいかない

ぐるぐる頭を悩ませていると、1人の人物に行き着いた

ケータイを開いて、すぐにその人に連絡をする

「岸くん、ご飯食べよう」

岸くんは相談相手にぴったりだ、と

自分の選択に満足した

送ってすぐに返事が来る

「Aからって珍しくね？全然行くけど」

「たまにはいいでしょ？」

私は岸くんと会う約束を取り付けた

神宮寺くんに、誘われる前に。

約束の時間は夕方

適当に近くにあった服を着て、鏡の前に立つ

「………わかりやすいね、私って、」

思わず自分でそう呟くほど、

私の服装は神宮寺くんの時と、まったく違った

やっぱり神宮寺くんと会う時の方が、

準備に時間がかかるし、心臓がどきどきする

こんなこと言ったら、岸くんに怒られそうだけど。

もちろん岸くんと会うのも楽しみだし、

私は岸くんを信頼している

だけどやっぱり、

神宮寺くんとは、違うんだ。

準備があまりに早く終わってしまったけど、

ちょっと早めに着いてもいいかな、と

そのまま家を出た

外は寒くて、人肌が恋しくなる、と、言われるだけのことはある

君に突然、会いたくなった。

そんな私のケータイがメッセージの着信を告げて、

君かな。そう思って急いでポケットから取り出す

表示されたのは、

岸くんからの、連絡だった。

「やっべーーー！！方面間違えたわ！！遅刻する！！！」

私のもやもやした気持ちと真逆のテンションに、思わず笑ってしまった

「まだ間に合うでしょ？約束の1時間前だよ」

冷静に返すとすぐに読まれる私の返事

「あ、ガチじゃん、焦ったーー！！」

しっかりしてよ。

なんて思いながらも、少しだけ明るくなる私の心

相談相手に岸くんを選んだの、

やっぱりすごく良かったかもしれない。

軽くなった足取りで、

私は駅に向かった。