蒼く、染まれ Y.J（２） (ページ42)

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高校2年のホワイトデー、私たちが付き合い始めてすぐに、

当たり前だけど、年度末がやってきた

そろそろ、クラス替えだな。そんなことを考えながら、

君と一緒に仕事をこなしていく毎日。

「もう終わりだね、Aと仕事するのも」

最後の授業の日、2人で教室を施錠して廊下を歩いていると、そんなことを言う君

いつのまにか変わった名前の呼び方には、未だに慣れない

「そうだね」

「クラス、来年も一緒だといいね」

「また学級委員やる？」

「ん～、Aと同じクラスでAもやるなら、って感じかな」

勇太がそう言いながら笑う

「なにそれ、」

「Aと居残りしたいもん、俺」

私を振り返る君

「………居残り、楽しかったよね」

恥ずかしくて目を合わせない私に、

「……あー、まあ居残りしたい、っていうか、」

「Aと、2人きりで居たいから」

勇太は眩しく、笑ってみせる

「………居残りなんてしなくても、今も2人きりじゃん、」

「えー、まあそうだけどさ。じゃあ今くっついていい？」

勇太がいたずらにニヤリとして、自分の肩をぐっと私の肩に近寄せた

その瞬間に、曲がり角から学年主任の先生が曲がってきて、急いで距離をとる私

「もう、勇太、」

「ほら、やっぱり放課後じゃないと。」

君はにこにこと楽しそうに笑っていた

終わっちゃうのか。

1年間続いた、君とのこんな日常も。

なんだか寂しくなって、君の横顔を見つめた

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学年末の最後の日

帰りのホームルームが、終わる。

「「さようなら～～」」

みんながカバンを肩にかけて、教室を出ていくのをなんとなく見送った

「Aちゃん！学級委員1年お疲れ様！」

約1年前、私を学級委員に推薦した子が、声をかけてくる

「あ、ありがとう！」

「やっぱりAちゃん推薦して良かった！本当にありがとう！」

明るく笑いながら言うその子を見て、思わず泣きそうだった

私、ちゃんと役に立ててたんだ。

「1年間、ありがとね」

「うん！また来年も同じクラスになれますように！」

ばいばーい！と手を振って出て行くその子

私も、帰ろうかな。

そう思っていると、

「神宮寺くん、Aさん。最後のお仕事、お願いしていい？」

先生が、私たちを呼んだ。