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・
「………あ〜、ペアのものを一緒に持ちたい子？」
君が少し困ったように笑う
「いるよ」
そう答えた君の目が、遠くを見つめていて
ああ、きっと私じゃない。そう思った。
それでいい。いいはずなのに。
なんだろうな、このもやもやした気持ちは。
「……そっか。そうなんだ、」
気持ちを気付かれないように、小さく呟く
もう20だもんね、好きな人くらい、できて当然だよ。
「まあ一応、いるんだけどね、」
君のまだ遠くを見つめたままの目が、細くなる
「それにプレゼントできるような状況には何回もなってるんだけど、」
「……うん」
「………多分、受け取ってもらえないと思うんだよね」
神宮寺くんは少し寂しそうにそう言うけど、
その目が、優しくて、
本当にその子のことが好きなんだなぁって、心の奥がずきんと痛む
その子は幸せだな。こんなに考えてもらえて。
「………でもわかんないよ、今度会った時に聞いてみなよ。ペアのものプレゼントしたいんだけど、って」
真剣にアドバイスをしている自分がみじめだ
「………そうだね、ありがとう」
君が遠くを見たままうなずく
「………あとで、ちょっと勇気出して聞いてみようかな」
「うん、それがいいね、」
心を決めたような君の横顔を、見ていられなくて、
私から目をそらした
どうか神宮寺くんの新しい恋が、私の時みたいに、すれ違いませんように。
なんて、私が本当にそんなこと願っているかは、わからないけれど。
・
「今日は本当ありがとね？おかげで楽しく買い物できたよ」
一通りお店を見て回って、私たちは駅に戻ってきた
「こちらこそ。楽しかったよ、ありがとう神宮寺くん」
「どういたしまして。今日は送ってあげられないんだけど、気をつけて帰ってね」
君が私を優しく見下ろす
「大丈夫だよ、神宮寺くんも気をつけてね」
「………あ、最後にひとつだけ、いいかな」
「うん？」
なんだろう、と思って君を見上げる
小さく息を吐いた神宮寺くんは、
「………俺とペアのもの、プレゼントしたいんだけど、Aに」
「もらって、くれますか」
君は、ずるいよね。そうやって。
「………ごめん」
小さく謝った私に、
「ほらやっぱりね。受け取ってもらえなかった」
君は切なく寂しく、
笑った
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詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
