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周りの生徒たちが帰っていく中、私にストラップを差し出したまま動きを止めた君
「…………」
悲しかった。悲しかったよ。
私は、受け取れなかった。
適当な理由で、大切な気持ちを踏みにじられ気がして。
いつまでも受け取らない私に、君はだんだんと状況を理解していくことになる
「………そういうの、よくないよ、」
絞り出した声が、震えてしまう
泣くのを我慢するかのように、顔をしかめた私を見て、
君は少し、焦ったように見えた
「ペアのものとか……そんな簡単に、」
悲しいよ。
「そんな簡単に女の子に渡すものじゃないでしょ、」
いよいよ泣き出しそうな私に、君はやっと差し出した手をおろした
弁解しようとしたのか、君が口を開きかける
だけどあの時はもう何も。
何も、聞きたくなかった。
「ごめん、帰る」
私は君に背を向けると、まっすぐに家に向かって歩き出した
神宮寺くんは、追いかけてこなかったから、
やっぱり何も考えずに、たまたま近くにいた私に渡そうとしたのかな。と、思ってしまう
家に着いて部屋に入った瞬間に、
「………っ、」
そんなに泣くほどのことでもない、と、今なら少し思う。だけど、
当時の私は、溢れた涙が、止まらなかった
いらないからもらって。
いらないから。
頭の中に反響するセリフ
私の気持ちは関係なくて、ただの君の勝手で、
そんなことで、小さい頃少し憧れていたペアのストラップを手に入れたとして、
何が、幸せなの。
もし私が神宮寺くんのことをなんとも思っていなかったら、きっと受け取ったかもしれない
違うんだよ、神宮寺くん。
嫌いじゃないの、嫌いだから受け取らなかったんじゃないの。
むしろ好きだから、
受け取れなかったんだよ。
そんな風に思ってみたところで、君に伝わるわけじゃない
その頃は君の気持ちも、全然わからなかった。
泣いてもしょうがないのに、
その夜はどうしても涙が溢れて止まらなかった。
次、どんな顔をして会えばいいんだろう
私ともう、話してくれなかったらどうしよう
1人では答えの出ない疑問が次から次へと浮かんでいく
このことで君を嫌いになってしまえたなら、
どんなに、どんなに楽だっただろうか。
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詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
