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私たちの周りから、人がどんどん減って散らばっていく
最後まで残っていた岸くんも、
「ちょっとあいつらに声かけてくるわ！！」
と、会場の奥の方へと、歩いていってしまった
残ってしまった、私と君。
2人きり。
どうしたらいいかわからなくて、
岸くんの背中をなんとなく目で追うと、
久しぶりに会ったであろうクラスの男の子たちに、肩をバシバシ叩かれていた
それをなぜか嬉しそうに顔全体で笑って受けている岸くん
「………何あれ笑」
思わず笑いがこみ上げて、呟いてしまった
すると、君も岸くんを見ていたのか、
「変わってないな〜、岸くん」
と、小さく笑いながら、呟いた。
「本当に岸くんは、相変わらず人気者だね」
「ね」
私の言葉に、短く同意する君
ちらり、と君の顔を見上げると、
また、目が合ってしまって、慌てて目を伏せる
「………」
来ないと思っていた君と、2人きりなんて、
突然のことで、
なんだか気を遣ってしまう。
何を、話せばいいのか。
まったくわからなくて、会場を見回すように眺めるフリをする
「………ごめんね、A」
突然謝る君の顔を、思わず見上げた
「ん？」
もしかして、また背が伸びた？
高校の時と、見上げた角度が違う気がする
君は困ったように笑って、
「あいつらにまだ付き合ってるか、とか聞かれて嫌だったでしょ。ごめんね？」
そんな風に、私を気遣う
その優しさも、あの時のままだな。
「そんなこといいのに！気にしてないよ」
そう、もう私は、
昔のことだと、思ってるから。
そう答えると、少し切なそうに笑って、
「……よかった」
君はそう言った。
全然よかった、なんて思ってなさそうだけど
あえて、そこに触れたりはしなかった。
なんとなく、君のその表情の真意を知ってしまうと、
何かが、今ここにある何かが、
変わってしまう、気がしたから。
また、ぎこちない沈黙が訪れる
君は他の男の子たちのところには行くつもりもなさそうで、
微妙な距離を開けて、ずっと私の横に立っていた
しばらくすると、ふぅ、と息を吐いた君は、私の方に体を向けた
「……せっかくだし、ちょっと話そ？久しぶりに、話聞かせてよ」
君のその笑顔も、
やっぱり、あの時から変わっていなかった。
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詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
