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そのあとも、私たちは食事しながらいろいろな話をした
「お、これ意外とおいしい」
神宮寺くんは、自分で頼んだスパゲティを頬張る
「へ〜初めて食べたなこの味」
「期間限定らしいね、なんか」
私がメニューを確かめながら呟くと、
「Aも食べてみる？」
さりげなく私にむかって、スパゲティを絡めたフォークを差し出す
神宮寺くんのそういうところが、私は付き合っている時、不安だった
その、さりげなく恋人みたいな雰囲気を作り出すところ。
「……いや、いいよ、神宮寺くんが食べて」
「わかった、おいしいから今度食べてみてよ」
「うん、」
その「今度」って、また君とここに来るってこと、なのかな。
ご飯を全部食べ終わると、
「ごめん、ちょっとお手洗い行ってくる」
神宮寺くんが立ち上がった
「うん、待ってるね」
微笑んで去っていく君の後ろ姿を見て、
もしかしてお会計をしに行ったんじゃないか、と気がついた
急いで私も立ち上がって後を追う
案の定、レジに着くと君がレシートを受け取っているところだった
「お、ギリギリセーフ」
君が財布をジーンズのポケットにしまいこんで笑う
「悪いって、そんなの。私の分払うから」
「ちょっとはかっこつけさせてよ」
君は、ほらほら、と私の背中を押して席に戻る
「ねえ神宮寺くん、」
まだ抵抗する私に、
「Aは俺に甘えてればいいの。」
君が耳元でささやく
その声と、雰囲気が、
また、あの頃を思い出させた
・
結局私がお金を払うことを、神宮寺くんは許さなかった
「ごちそうさまでした」
「どういたしまして」
また私の最寄りまで送ってくれた君と、改札の前で少し話をする
「払ってもらっちゃったり、送ってもらっちゃったり、なんかごめんね…」
そんな風に小さく呟いた私を見て、君が笑った
「……付き合ってた時、あんまりこういうことしてあげられてなかったから、今してるんだよ」
そんな風に言われると、どうしてもあの頃のことを思い出す
まるで私たちが、まだ付き合っているかのような、ふわふわした感覚
「なんて……今更かな。」
そう言って私と視線を合わせる君から、目が離せない
もう終わったはずの想いが、
胸の奥でくすぶった。
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詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
