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・
リレーが終わって、各自席に戻る
「おつかれ！」
私の隣に戻ってきた君は満面の笑みだ
「おつかれさま」
「バトン、超うまく渡せたじゃん。練習の甲斐があったね」
にこにこの君につられて、私まで笑顔になる
「神宮寺くんがもらうの上手だから…」
「いやいや、絶対Aちゃんの努力のおかげ。ありがとね？」
「あ……うん、」
さっきリレー中は、呼び捨て、だったのにな
突然反応が鈍る私を見て、君は不思議そう
「ん、どした？」
「あ、ううん。なんでもない」
「そ？それならいいけど」
そう言って、競技場に視線を向ける君
やっぱり、さっきの呼び捨ては、
その場の勢い、だったのかな。
私も神宮寺くんのように、競技場を見つめてみる
「………これ頑張れば優勝できちゃうかもな〜」
得点板を見て嬉しそうな君の横顔をちらりと見て、突然リレーの直前の記憶がよみがえった
「ねえ、神宮寺くん、」
「ん？」
優しく微笑んで私を振り返る君は、本当に魅力的だ
「あの、リレーの前に、」
「うん」
「バトンうまく渡せたら…って言ってたけど、」
「なにを言おうとしてたの？」
一瞬、君の瞳が揺れた気がした
「あー、それさ、」
神宮寺くんはふらりと視線を泳がせる
その表情が、なんとも言えなくて
一体なにを言われるんだろうかと、身構えるけど、
「………また今度、でもいいかな、」
君は、聴かせてくれなかった。
「………あ、うん、」
不思議そうな私の顔を見て、君は切なそうに微笑む
「………ありがと」
そのあとはずっと、君の横顔が儚かった
結局、高校を卒業して今に至るまで
君がこの時言いたかったことを、
私が知ることはなかった。
・
そのうち体育祭のすべての種目が終了して、結果発表が始まった
「うわー、緊張するなー」
そんなことを言いながらも、神宮寺くんは楽しそう
「それでは発表します、今回の優勝は……！！！！！」
実行委員長が読み上げた組は、
「っしゃぁあああ！！！！！！！」
私たちの組だった
隣でクラスメートと一緒に大きく歓声をあげた君が、
「やった〜〜Aちゃん！！」
大きく叫んで、次の瞬間、
ふわりと私を抱きしめた
私の心臓の音、もしかして聴こえてたかな。
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詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
