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・
そのあとも食事の間、君はたまにふと切なそうに私を見たけど、
久しぶりにゆっくりと会話ができたことが、とても楽しかった
「ふぅ、いっぱい食べたね」
ちゃっかりデザートまで食べた君は、満足そうに微笑んで腕時計をちらりと見る
「やば、もうこんな時間か。ごめん、遅くまで付き合わせて」
そこまで遅くないのに慌てた様子の神宮寺くんは、
「門限、厳しかったよね？帰る？」
また、あの頃の記憶を呼び起こす
でも、
「……もう、門限なんてないよ」
私たちは、大人になった
「そ、か」
もう、昔のこと。
君はまた切なそうに視線を落とした
・
「今日はありがとう」
お店を出て、その場で別れようと君に向き直る
だけど神宮寺くんは、
「いやいや、最寄りまで送るよ」
そう言って歩き出した
「え、いいよ、悪いから」
「俺が送りたいの」
「………」
そんな風に言われたら断れないの、知ってるでしょ。
「行こ？」
振り返って首を傾げるその様子が、
懐かしかった。
電車の中では、沈黙が私たちを包む
ただ2人で、つり革につかまって、
たまにぶつかる肩と肩にどきりとしながら、
外の景色を見ていた。
君はどうして今、
私にこうして会いに来たんだろう。
「また考え事？」
神宮寺くんが隣でそうささやいて、笑った
・
あっという間に私の家の最寄りに着くと、
改札を抜けて、もう一度君と向き合う
「送ってくれてありがとう。実技試験、頑張ってね」
私をこんな風に誘うのも、試験のことがあるから最初で最後だろうと思っていた
なのに、
「ありがとね。でも、」
君がじっと私を見つめる
「また、誘ってもいいかな。Aのこと」
付き合っていた頃みたいに、まだ私を呼び捨てにする神宮寺くん
その呼び方、好きだったな。
「………でも、大変な時期でしょ？夢を、邪魔したくないよ」
「大変な時期だからこそ、会いたい」
まっすぐに私を見つめる君
「Aは俺の大切な、最初のお客さんだから」
おぼえて、たんだ。
「だから、試験の前だけど会いたいんだ」
「………うん、わかった」
もしかして、曲をプレゼントしてくれる約束も、覚えてる？
聴きたかったけど、聴けなかった。
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詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
