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「ほら、座って」
君が引き出してくれた椅子に座ると、
君は少し離れた机の上に腰をおろして、ギターをかまえた
ポロン、と儚く奏でられる音たち
目の前で繰り広げられる演奏は綺麗で、ただただ美しくて。
私は、思わず君に見惚れていた
神宮寺くんがちょっと手を止めて、私を見上げると
私の反応を見て満足げに微笑む
「結構いい感じでしょ」
そんな風に言う君に、
「………とっても素敵だよ、」
思わずそう答えていた。
少し照れたように笑う君のことを、
もっと知りたい。そんな衝動に駆られる
「部活の練習？」
「違うよ、趣味」
君がギターに視線を落とす
その眼差しが、優しかった。
ギター弾くの、とっても好きなんだね。
「本当はこっそり練習するのが好きなんだけど、ちょっと外からの意見を聴きたかったからね。ちょうどよかった」
神宮寺くんはギターから顔を上げる
「来てくれたのが、Aちゃんでうれしいよ」
神宮寺くんの目が、いきいきとしていた
「………趣味でギターって、すごいね、」
その目に見つめられるのが、なんとなく苦しくて
そんな風に声をかけた
「………うーん、まあいつかは、趣味の範囲を超えたいとは思ってるけどね」
君は遠い目をして応える
「………えーっと。どういう、」
理解力の低い私に、君はフッと笑って、
「俺の将来の夢ね。シンガーソングライターなんだ」
大切なことを、教えてくれた。
「………これは俺らだけの、秘密ね？」
神宮寺くんはそう言って、しーっと人差し指を唇に当てた
そんな行動ひとつにも、鼓動が鳴り止まない
「さっきの曲は、神宮寺くんが作ったの？」
「そうだよ、実はね」
明るく笑う君
そんな君が奏でる曲は、優しく、美しかった。
「………かっこいい、」
思わず呟いてしまった私に、
「ありがとう、嬉しいな」
はにかみながら、そんな風に返すスマートな君
「………じゃあいつか。俺の最初のお客さんのAちゃんに、」
君が私をぐっと見つめる
「俺の曲、プレゼントするね」
すごくすごく、嬉しかった。
君は、あの約束を、
まだ、おぼえていますか？
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詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
