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競技はどんどん進んでいって、
「よーし、そろそろ行こっか」
神宮寺くんが立ち上がった
「え、もうリレー？」
「そうだよ、がんばろうね」
君は軽く伸びをして、私をきらりと見つめた
「うん、そう、だね」
私たちはクラスメートたちと一緒に、待機場所に移動する
「……緊張、してる？」
待機場所に着くと、神宮寺くんは私の肩をポンと叩いた
「うん、」
「やっぱりそうか。実は、俺も」
君が、はははっと笑う
「……神宮寺くんも？」
「うん、でもほら見て？」
君は自分の頭に巻かれたハチマキを指差す
「俺は、これのおかげでがんばれちゃうな」
私のハチマキは、君にとってそんなに力の出るものなのかな。
疑問に思って神宮寺くんを見つめる
「えー、ほんとだから信じてよ笑」
君は、また笑った
「ねえ、じゃあさ、」
君が、来て、と言うように私に手招きをする
一歩近づくと、君が私の耳元に口を寄せた
「……なに、？」
「……もし、俺にうまくバトン渡せたら、」
ピーーッ
「はーい、2年生入場でーす！」
「………あー、」
君が言葉を続ける前に、ホイッスルが鳴った
「おーい神宮寺！お前こっちだろ！」
クラスメートが君を呼ぶ
「………またあとで、」
神宮寺くんは私と1回、ぱちりと目を合わせてから、呼ばれた方に走っていった
今何を、言おうとしたのかな。
競技場に入場すると、緊張で汗が、ぶわっと溢れるのがわかった
どうしよう、本当にどうしよう。
うまく渡せる気が、しない。
あんなに練習したから大丈夫。
そう思いたいけど、あまりに緊張していて、
できなさそうな、気がしてきてしまう。
「2年生のリレーです」
アナウンスが会場に響き渡る
レーンの反対側にいる神宮寺くんを、思わず探してしまう
やっと見つけた君の姿、
君も、私を探しているみたいに、こちらを見ていた
また合わさる視線
君が口角を上げて、
″大丈夫″
口の動きだけで、私にそう伝えた
心臓がぎゅっと縮まる
爽やかに笑った君は、私に向かってひらりと手を振った
「それでは始めます」
神宮寺くんの後ろ姿
がんばって、君に繋ぎたい。
「いちについて、よーい」
私たちのリレーが、
「スタート！！」
今、始まった。
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詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
