2 ページ2
・
式が無事に終わると、クラスの子たちにたくさん声をかけられる
「A、この後来ないの？」
どうやらみんなで同窓会をするらしい。だけど、
「ごめんね、私高校の方でも集まりがあって…」
「そかー。じゃあ…多分遅くまでやるから、もしそのあとに来れそうだったらおいで？」
「うん、わかった！ありがとう」
久しぶりにみんなとも話したかったけど、
時間もあまりないし、私は会場をあとにした。
電車に乗ると、振り袖だからかな。いろいろな人の視線が突き刺さる感じがした
………嬉しいけど、
やっぱりちょっと、恥ずかしい。
それに、歩くのも一苦労だし、
これは家に帰ったら疲れてよく眠れそうだな。
なんて、どうでもいいことを考えながら、電車に揺られていた。
電車の窓から外を見ていると、懐かしい景色がどんどん見えてくる
高校を卒業してからまだ2年だけど、
それでも懐かしさを感じてしまうのは、少し変かな。
高校生活、
それは私にとって、とっても大切な思い出。
できることなら、戻りたい、くらいで。
学校の駅が近づくにつれて、
久しぶりにみんなに会える期待と、
もう戻らない高校生活への憂いが、
私の心に、うずをまいた。
久しぶりに降り立った高校の最寄駅。
ちょっと遅れちゃったかも。
時計を確認して焦る
今の私ができる1番のスピードで、学校に向かって足を動かした
何個か角を曲がって、学校の門が見えてくる
よかった、道、覚えてた。
安心して門をくぐろうとしたその時、
「………あれ、A？」
突然名前を呼ばれて、振り向いた先に、
「………え、神宮寺くん？」
スーツに身を包んだ、君が立っていた。
私と目が合うと、スッと手を振る
「久しぶり、」
「ほんとに久しぶり……」
「卒業以来？かな？」
爽やかに笑うその笑顔は、高校の時から何も変わっていない
今日、来ないと思ってたのに。
会えないと、思ってたのに。
「……振り袖、綺麗だね」
そんな風に言って私を見つめる神宮寺くん
「ありがとう、」
なんとなく、気まずい沈黙が流れた
「………もうみんないるかな、入ろ？」
神宮寺くんが、遠慮がちに言う
「……あ、うん、」
私たちは微妙な距離を開けて、
校門をくぐった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 522人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
