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君はすっと息を吸う
なにを言われるんだろう。
だけど、なかなか出てこない、君の言葉
そんなに、言いにくいこと？
まただんだん周りの目線が気になってきてしまう
「…永瀬？」
たまらず名前を呼ぶと、
「それ、いい加減やめて」
突然耳元で君の声が聞こえた
急に話し出すから、少しびくりとしてしまう
「廉って、呼んで？」
君はまだ苦しそうにそう言った
「れ、ん？」
呼んだ瞬間に、じわりと心があたたかくなる
「そう、それや」
君はそう言って、まだ私を離さないまま、小さく笑った
耳に君の息がかかって、くすぐったい
そのまま嬉しそうに身体を揺らしている
「今のが、お願い？」
そう聞くと、また黙ってかたまってしまう、廉
「……まあ、そんな感じ」
歯切れが悪い。
思わず君の顔をのぞけば、
当然、至近距離で目が合った
「A、」
君が何かを言おうとする。
だけど、その言葉は、いつかのように飲み込まれてしまった
君の目が切なくなる
「今日まで、ありがとう」
言ってよ、廉。
君は私の視線に気がつかないふりをして、
そっと、私を離した
そこまで寒くないはずの3月なのに
君の体温がなくなって、急に冷えたように感じてしまう
「廉、」
私も言いたいことが、あるよ
そう思って、君を呼ぶけど、
視線が合ってしまうと、また何も言えなくなって
「私こそ、今日までありがとう」
そんな言葉を、気がつけば発していた
素直になれないのは、君だけじゃなかった
廉は、うん、と頷いて
「……帰るか」
そう言った
私も頷くことしかできなくて、
私たちは微妙すぎる距離で並んで歩いた
改札を抜ければ、もうお別れ
「大学入っても…！」
周りのざわめきに負けないように、少し声を大きくして君は言う
「仲良くしてくれる？」
そんなの、当たり前だよ
「もちろんだよ、これからもよろしくね」
そう伝えれば、なんだか泣いてしまいそうな顔の君
「……またな」
私が角を曲がるまで、そこに立って見送る君を、
私は本当に好きだった。
言葉では、「これからも」なんて言ったけれど、
私たちはどうなってしまうのだろう。
角を曲がる直前に、君が涙を拭いたのは、
見なかった、ふりをした。
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詩愛(プロフ) - ぴーさん» こんばんは！ありがとうございます…！頑張ります！引き続きよろしくお願いします。 (2019年2月4日 22時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴー - とてもおもしろいです。更新楽しみにしています！！これからも頑張ってください！！ (2019年2月3日 19時) (レス) id: b972a36c14 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 夕美さん» こんばんは、ご指摘ありがとうございます。外していたつもりだったのですがうまくできていなかったみたいです…。失礼しました。 (2019年1月25日 23時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
夕美 - オリジナルフラグちゃんと外して下さい、違反です。ルールくらい確認しましょう。 (2019年1月25日 23時) (レス) id: b6266b0de2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2019年1月25日 23時
