彼女は死んで少女は生きる (ページ9)

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モラクス「蝴蝶」

「………」

見てくれ、と言われその方を向けば無数の岩が突き上げた岩山が太陽の光によって神々しく目に映る

そこは幾度となく行われた戦争の証とでも言うかのように岩がそびえ立っていた

モラクス「俺はこれから璃月を導き、いつか神のいない国を作る」

「はい」

モラクス「いつしか俺が神の席を降りようとその頃の璃月は既に人が収める国となるだろう」

「はい」

モラクス「この俺に着いてきてくれるか？」

「………」

まだ私には人間がどのような存在なのか知らない

だからその答えに強く返事をする勇気がなかった

いざそう誓っても人間の本心を知ってしまえば、自分自身がどのように歪んでしまうのかが怖い

………怖い？

私は今、怖いと感じたのか

初めて感じた感覚

私にそのような感覚を味わえる機能が備わっていたとは……

その感情を受け入れてから全ての気持ちが楽になった

そうか、そうか

私は怖いのだ

モラクス(この人)が

ものすごく、こわい

「この身は既に貴方様のもの、私は何処へでもついて行きます」

モラクス「お前が近くにいるだけで安心する」

えぇ、私も安心します

故

故に

とても恐ろしい