彼女は死んで少女は生きる (ページ8)

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散歩ページ8

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風が吹く度髪が揺れる

腿まで伸びきった白髪(しろがみ)は、美しさの欠片もなく痛みきっている

所々ちぎれちぎれでまとまっておらず、なんて醜いのだろうと何度も思った

乱暴にぐしゃりと髪を掴めば、その動きを制止させるかのように手首を掴まれた

モラクス「そんな風に乱暴にするな、髪が痛む」

「既に傷んでおります。今更遅いかと」

モラクス「お前の髪は長く美しい。切ってしまうには勿体ない。留雲借風真君に頼めば何とかしてくれるかもしれんな」

この人が何を見て言葉を発してるのか理解が出来ない

長く美しいというのは、まさに岩王帝君のような髪を指すだろう

髪先まで艶のある滑らかさに金の糸のように繊細で細い髪

貴方のような髪でしたら荒々しく扱うのは惜しいでしょう

しかし、既に私の髪は見るも無惨な姿

切ってしまえば簡単なものを……、この方は切るのは惜しいと仰る

モラクス「明日、留雲借風真君の元へ行こう」

「……はい」

あぁ、そうか

これは哀れみだ

私が人形である故、1度切ってしまえば二度と伸びないのを理由にそこまで気にかけてくださっているのか

じゃないと、おかしい