彼女は死んで少女は生きる (ページ1)

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可憐に笑う君ページ1

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「モラクス」

そう俺の名前を呼ぶ声は、優しい音色を聞くように耳に馴染み心地が良かった

手に持っていた書類から目を離し前を向けば、長く白銀に輝く髪と黄金の瞳が目に入る

美しいものだ、など本人に1度も伝えたことはないが毎度思わされていた

言えば君は頬を真っ赤に染め上げるだろう

本当に起こったかのように君の表情が目に浮かぶ

モラクス「どうした」

魔人戦争が終わり、1つの歴史に一段落着いた頃

俺も彼女も、仲間の死すら悲しむ間もない者だった

「1つ、伝えなきゃいけない事があるの」

彼女と初めて会った日

それは、黄金に輝く空を支配しているかのような輝きと風情を放ち現れた

目にした途端わかった

いや、"わからされた"という言葉の方が正しいのだろう

考える間もなく全身に行き渡るほどの圧力

『彼女の力があれば、璃月を守れる』

当時、俺はただの魔神であり神である彼女に契約を持ちかけるのはとてつもない勇気と覚悟が必要だった

最悪殺されるだろう、と思いながら契約を持ちかけたものの、彼女は快く受けてくれた

彼女に国も民もない

そう聞いた時は酷く驚いた

国も民を居ないのならその強さはどこから湧き出てくるのだろうか

そう聞いた時、彼女は可憐に笑ったのを今でも覚えている

『会いたい人、帰りたい場所があるの。その為なら頑張れるわ』

あぁ、その笑みで全てを悟れる程彼女は偉大であった

これが、光の神

ルシファー