Doctors family〜3〜

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龍友side



静かな部屋に響き渡る機械の音。


幸い命に別状はなかったものの未だ意識は戻らない。





右腕、右脚の骨折。右側の打撲。

怪我の全てが体の右半身だったこと。



それが隼を必死に庇った事実を物語っていた。




自分を犠牲にしてでも守りたかった弟なんだろう。


僕が亜嵐の立場でも同じことをしていたはず。





隼「ぐすっ…ひゆっ、ひゅ、」

裕「ほら、泣かないの。大丈夫だったんだから」



病院に着いてからずっとこの状態。


これじゃ亜嵐が起きた時に悲しむだろうな。





もしかしたら二度とみんなの顔を見ることができなかったかもしれないのに。





遊んでいた涼太と玲於もすぐに病院に駆けつけてくれた。


みんなと同じ。




初めて亜嵐の姿を見た時はみんな同じ反応だった。







僕は隼に後悔だけはしてほしくなかった。


自分のせいで亜嵐に怪我を負わせてしまったことをずっと引きずってしまうんじゃないか。




亜嵐が何のために隼を庇ったのか。




きちんと理解して欲しかった。



龍「隼？なんで泣いてんの。それじゃ亜嵐が悲しむよ」

隼「で、もっ、ちがっ、ぉ、れの、せっ」




上手く言葉にできなかった。


今自分が伝えたいことが上手く言葉にできないんだ。





横にいる亜嵐の姿を見ると申し訳ない気持ちでいっぱいになる。




人生でこんな大怪我あることの方が珍しい。



後遺症だって残ってしまうようなほどの怪我が痛くないはずがなくて。





変わってあげられるのなら今すぐ変わってやりたい。

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